YM-13650のI~IV型アレルギー反応および抗体産生に対する作用
2-(m-carboxyacetoxyphenyl)imidazo〔2,1-b〕benzothiazole(YM-13650)のI型~IV型アレルギー反応および抗体産生に対する作用を種々の動物モデルを用いて検討した.マウスのpicryl chloride(Pc)による遅延型過敏症(DTH)モデル(IV型アレルギー)において,YM-13650はinduction phaseに対してPc感作前あるいは感作後のいずれの時期に投与しても抑制作用を示した。また,effector phase,すなわち抗原誘発16時間後に経口投与した場合も有意な抑制作用を示した.さらに,YM-13650はcyclophos...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1991, Vol.97(2), pp.75-84 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 2-(m-carboxyacetoxyphenyl)imidazo〔2,1-b〕benzothiazole(YM-13650)のI型~IV型アレルギー反応および抗体産生に対する作用を種々の動物モデルを用いて検討した.マウスのpicryl chloride(Pc)による遅延型過敏症(DTH)モデル(IV型アレルギー)において,YM-13650はinduction phaseに対してPc感作前あるいは感作後のいずれの時期に投与しても抑制作用を示した。また,effector phase,すなわち抗原誘発16時間後に経口投与した場合も有意な抑制作用を示した.さらに,YM-13650はcyclophosphamideの前処理によって増強されるDTHを抑制し,両側副腎摘出マウスにおいてもDTH反応を抑制した.マウスの皮膚移植実験において,YM-13650の25mg/kg,p.o.はazathioprineの30mg/kg,p.o.と同程度の生着期間延長作用を示した.しかしながら,マウスにおける抗DNP-ovalbumin抗体の産生およびヒツジ赤血球に対する抗体産生に対し,YM-13650は10~300mg/kg,p.o.の用量で有意な影響を及ぼさなかった.I型~III型アレルギー反応のうちYM-13650はモルモットの受身Arthus反応およびラットの逆受身Arthus反応(III型アレルギー)を10および30mg/kg,p.o. で有意に抑制した.しかしながら,ラットの受身皮膚アナフィラキシー(I型アレルギー)およびモルモットのForssmanショック(II型アレルギー),また,ラットのカラゲニン足浮腫に対して,YM-13650は300mg/kg,p.o. の用量で有意な影響を及ぼさなかった.すなわち,YM-13650は液性抗体産生には影響を及ぼさないが細胞性免疫の関与するアレルギー反応を抑制し,さらにIII型アレルギー反応をも抑制することが示された. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.97.2_75 |