マウス高アンモニア血症時における侵害反応の変化

オルニチントランスカルハミラーゼ活性が遺伝的に低いマウス(spfマウス)では, 高アンモニア血症の発現が知られている今回はマウスの高アンモニア血症時に於ける中枢神経内モノアミン, アミノ酸および侵害反応の変化を検討した. 3-4週令のspf雄マウスでは, 対照(spfと同腹の正常)マウスに比べて血中アンモニアは267%と有意に高値を示したその時の脳内tryptophan, 5-HIAA/5-HT比, glutamineはそれぞれ152%. 120%, 190%といずれも有意に増加した. NMDAを脊髄クモ膜下腔内に投与した後の腰尾部へのscratching回数は60%に減少した. 8週令spf...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.97 (1), p.76-76
Hauptverfasser: 清水隆雄, 岩下達郎, 水上惟文, 佐伯武頼, 橋田健夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:オルニチントランスカルハミラーゼ活性が遺伝的に低いマウス(spfマウス)では, 高アンモニア血症の発現が知られている今回はマウスの高アンモニア血症時に於ける中枢神経内モノアミン, アミノ酸および侵害反応の変化を検討した. 3-4週令のspf雄マウスでは, 対照(spfと同腹の正常)マウスに比べて血中アンモニアは267%と有意に高値を示したその時の脳内tryptophan, 5-HIAA/5-HT比, glutamineはそれぞれ152%. 120%, 190%といずれも有意に増加した. NMDAを脊髄クモ膜下腔内に投与した後の腰尾部へのscratching回数は60%に減少した. 8週令spfマウスでは血中アンモニアは正常となったがscratching回数は逆に158%に増加した. morphineによる鎮痛効果はspfの5週令では対照に比べ56%(tail pinch法)に低下したが, 8週令では回復したspfマウスと比較するためにddY系雄マウスにurease(4.5μMU/10g)を投与し高アンモニア状態を作成した. 投与2時間後の血中アンモニアは317%の高値を示し, NMDAによるscratching回数はspfマウス同様に減少したがmorphine鎮痛は変化がなかった. 以上のことより, 幼若spfマウスで整理する侵害反応の変化は単に高アンモニア血症によるたけではなく, 代謝系や中枢神経内伝達物質の変化などが複雑に関与するものと思われる.
ISSN:0015-5691