胃におけるアドレナリン3受容体と胃酸分泌(単離細胞標本および生体位における検討)

犬-単離壁細胞, 初代培養D細胞およびG細胞, ラット(生体位)を用いて胃粘膜アドレナリンβ受容体の機能的役割を検討した, (結果)1)イソプロテレノール(ISO)は胃酸分泌の指標とされる壁細胞における^14 C-アミノピリン蓄積を促進し, この作用はプロブラノロール(Prop)にて消失した. 2)ISOはG細胞からのガストリン遊離を促進し, この作用はPropにて消失した. 3)ISOはD細胞からのソマトスタチン遊離を促進した. 4)ラット生体位において, ISOの胃内投与は基礎酸分泌を有意に変化しなかったしかし, ソマトスタチン脱感作後ISOの胃酸分泌促進作用が出現し, この促進作用はPr...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.97 (1), p.71-71
Hauptverfasser: 横谷邦彦一, 大隅義継, TADATAKA YAMADA
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:犬-単離壁細胞, 初代培養D細胞およびG細胞, ラット(生体位)を用いて胃粘膜アドレナリンβ受容体の機能的役割を検討した, (結果)1)イソプロテレノール(ISO)は胃酸分泌の指標とされる壁細胞における^14 C-アミノピリン蓄積を促進し, この作用はプロブラノロール(Prop)にて消失した. 2)ISOはG細胞からのガストリン遊離を促進し, この作用はPropにて消失した. 3)ISOはD細胞からのソマトスタチン遊離を促進した. 4)ラット生体位において, ISOの胃内投与は基礎酸分泌を有意に変化しなかったしかし, ソマトスタチン脱感作後ISOの胃酸分泌促進作用が出現し, この促進作用はPropにて消失した(結論)交感神経はアドレナリンβ受容体を介して壁細胞およびG細胞に直接作用し胃酸分泌に促進的に作用するのみならず, D細胞にも直接作用しソマトスタチン遊離を介して胃酸分泌に抑制的に作用することが明らかになった. したがって, 胃粘膜8受容体機構の胃酸分泌に及ぼす影響は複雑であって, 生理的条件下ではソマトスタチンによる酸分泌抑制系の優位が示唆された.
ISSN:0015-5691