心臓内交感神経刺激による陽性変伝導作用におけるアドレナリン作動性β2 受容体の関与
我々は交感神経より遊離されるnorepinephrine(NE)による陽性変時, 変伝導作用にβ_2 受容体が関与するか否かを検索する目的で, β_1 選択的拮抗薬atenolol, β_2 選択的拮抗薬ICI 118,551静注の交感神経刺激による心臓作用に対する遮断効果を検討した. 実験は雑種成犬をpentobarbital麻酔後, 開胸し, 星状神経節と頸部迷走神経を結紮した. 洞結節部への心内交感神経繊維刺激(SAS刺激)のために双極電極を右腕静脈と左心房接合部に縫着した. 房室結節部への心内交感神経刺激(AVS刺激)のために双極電極を下大静脈と左心房接合部に縫着した. 電気刺激は1m...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1990, Vol.96 (6), p.350-350 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々は交感神経より遊離されるnorepinephrine(NE)による陽性変時, 変伝導作用にβ_2 受容体が関与するか否かを検索する目的で, β_1 選択的拮抗薬atenolol, β_2 選択的拮抗薬ICI 118,551静注の交感神経刺激による心臓作用に対する遮断効果を検討した. 実験は雑種成犬をpentobarbital麻酔後, 開胸し, 星状神経節と頸部迷走神経を結紮した. 洞結節部への心内交感神経繊維刺激(SAS刺激)のために双極電極を右腕静脈と左心房接合部に縫着した. 房室結節部への心内交感神経刺激(AVS刺激)のために双極電極を下大静脈と左心房接合部に縫着した. 電気刺激は1msの矩形波で心房筋の脱分極をトリガーとしたburst刺激を用いた. atenololはSAS刺激およびAVS刺激による陽性変時, 変伝導作用を用量依存的に同程度に抑制した. ICI 118,551はそれぞれの刺激による陽性作用を用量依存的に抑制したが, 各用量にいてAVS刺激に対する遮断効果はSAS刺激に対する効果よりも有意に弱かった. 以上より遊離NEはβ_1 , β_2 受容体を活性化させること, 変伝導作用に関与するβ_2 受容体は変時作用に関与するものより少ないことが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |