神経細胞の培養法と薬理学研究への応用

神経機能に関する薬理学的研究は, 従来, 神経節や脳の切片, ホモジネートを用いた実験が中心であった. 近年, 細胞培養法の普及と株細胞が入手しやすくなったことなどにより, 培養細胞を用いた研究が数多くなってきた. 培養細胞を用いると外環境を操作しやすいことや, 他の組織の混入が除外できるなどの利点があり, 細胞膜の受容体の薬理学的研究, イオンチャンネルの電気生理学の手法を用いた研究, 細胞内情報伝達機構の解明に, 細胞培養法は重要な技法とたった. さらに, 最近の遺伝子工学技術を使った研究においても, 遺伝子の発現調節の解析にin vivoでの調節を反映した系が組み立てられること, 特殊な...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.96(3), pp.141-143
Hauptverfasser: 大杉, 武, 谷浦, 秀夫, 三木, 直正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経機能に関する薬理学的研究は, 従来, 神経節や脳の切片, ホモジネートを用いた実験が中心であった. 近年, 細胞培養法の普及と株細胞が入手しやすくなったことなどにより, 培養細胞を用いた研究が数多くなってきた. 培養細胞を用いると外環境を操作しやすいことや, 他の組織の混入が除外できるなどの利点があり, 細胞膜の受容体の薬理学的研究, イオンチャンネルの電気生理学の手法を用いた研究, 細胞内情報伝達機構の解明に, 細胞培養法は重要な技法とたった. さらに, 最近の遺伝子工学技術を使った研究においても, 遺伝子の発現調節の解析にin vivoでの調節を反映した系が組み立てられること, 特殊な技術や装置を必要としないことなどから培養細胞を使った実験系が最も多く使われている. ここでは, 神経細胞の培養法とその培養細胞を用いた実験例について述べる.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.96.3_141