ラット肝細胞のα1 受容体を介したcAMPレベルの変化について

Noradrenaline(Nad)の肝細胞内cAMPレベルに対する効果を細胞外Ca^2+ 存在下と非存在下で比較検討した. Nad(10^-5 M)はいずれの場合もcAMPレベルを有意に増加したが, 効果はCa^2+ 非存在下(1mM EGTA存在下)で特に著しかった. 添加1分後のcAMPレベル(%コントロール)はCa^2+ 存在下で約124%, Ca^2+ 非存在下で約185%であった. NadのcAMP増加作用はprazosin(10^-6 M)によって遮断された. Nadのグルコース放出促進作用はCa^2+ 非存在下でも発現したが, ケトン体産生抑制作用についてはCa^2+ 除去によ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.96 (2), p.135-135
Hauptverfasser: 野村幸彦, 野村隆英, 橘正克, 横山理絵, 鵜飼起久子, 野村裕子, 重井達朗, 萩野泰道
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Noradrenaline(Nad)の肝細胞内cAMPレベルに対する効果を細胞外Ca^2+ 存在下と非存在下で比較検討した. Nad(10^-5 M)はいずれの場合もcAMPレベルを有意に増加したが, 効果はCa^2+ 非存在下(1mM EGTA存在下)で特に著しかった. 添加1分後のcAMPレベル(%コントロール)はCa^2+ 存在下で約124%, Ca^2+ 非存在下で約185%であった. NadのcAMP増加作用はprazosin(10^-6 M)によって遮断された. Nadのグルコース放出促進作用はCa^2+ 非存在下でも発現したが, ケトン体産生抑制作用についてはCa^2+ 除去により消失した. Ca^2+ 非存在下でのNadのグルコース放出促進作用もprazosinによって遮断された. α_1 作働薬と同様肝においてイノシトールリン脂質分解を介して作用すると考えられているvasopressin(Vas)はCa^2+ 存在下, 非存在下ともにcAMPレベルに影響しなかった. VasはCa^2+ 存在下ではNad同様グルコース放出の促進, ケトン体生成の抑制作用を示したが, Ca^2+ 除去下では両作用とも消失した. 以上の結果は肝でのα_1 作用の一部にcAMP連関情報伝達系が関与していることを示唆している.
ISSN:0015-5691