L-Arginineおよびarginine誘導体の血管作用
私達は第63回日本薬理学会総会においてEDRFの基質と考えられているL-arginine(L-Arg)が内皮非依存的にラット大動脈を拡張させることを報告した. 今回はL-Argおよびその誘導体を用いてL-Argのラット大動脈に対する作用とその機構を検討した. 1. L-Argの誘導体であるL-Arg methyl ester,benzoyl-L-Arg methyl ester,L-homoarginineもL-Argと同様に内皮非依存的に血管を拡張させた. これらの反応はEDRF阻害剤hemoglobinやsoluble guanylate cyclase阻害剤methylene blueを...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1990, Vol.96 (2), p.131-131 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 私達は第63回日本薬理学会総会においてEDRFの基質と考えられているL-arginine(L-Arg)が内皮非依存的にラット大動脈を拡張させることを報告した. 今回はL-Argおよびその誘導体を用いてL-Argのラット大動脈に対する作用とその機構を検討した. 1. L-Argの誘導体であるL-Arg methyl ester,benzoyl-L-Arg methyl ester,L-homoarginineもL-Argと同様に内皮非依存的に血管を拡張させた. これらの反応はEDRF阻害剤hemoglobinやsoluble guanylate cyclase阻害剤methylene blueをはじめNO生合成阻害剤N^G -monomethyl-L-Argによって抑制された. 2. NO生合成阻害剤L-canavanineはL-Argの拡張反応を抑制したが, nitroprussideの作用には何ら影響を与えなかった. 3. AChによる内皮依存性血管拡張反応はN^G -nitro-L-Argにより抑制されたが, この抑制はL-Argを適用することにより解除された. 以上, L-Argは一般に直接作用を示さず, EDRFを介する反応も増強しないというのが定説であるが, 今回の実験より血管平滑筋に直接作用してL-Arg~NO経路を介して血管を拡張させるとともに, 内皮においてもEDRFの基質に利用され, 内皮依存性拡張薬の作用を増強することが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |