心臓迷走神経刺激による陰性変時・変伝導作用へのM_1 , M_2 サブタイプの関与

洞房結節および房室結節領域の副交感神経を別々に刺激する方法を用いて, 心臓内副交感神経刺激による陰性変時・変伝導作用に対する3種類の拮抗薬, atropine, pirenzepine, AF-DX 116の拮抗作用を比較し, 心臓におけるムスカリン受容体サブタイプについて検討した. pirenzepineは, 陰性変時・変伝導作用を用量依存的に抑制したが, その作用は陰性変時作用において, より低用量から有意に認められた. 用量を増すにつれ両者に対する抑制作用はほぼ同等となり, ID_50 値に有意差は認められなかった. AF-DX 116は, 陰性変時・変伝導作用を用量依存的に抑制し, I...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.96 (2), p.98-98
Hauptverfasser: 成田昌広, 古川安之, 武井学, 村上真, 千葉茂俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:洞房結節および房室結節領域の副交感神経を別々に刺激する方法を用いて, 心臓内副交感神経刺激による陰性変時・変伝導作用に対する3種類の拮抗薬, atropine, pirenzepine, AF-DX 116の拮抗作用を比較し, 心臓におけるムスカリン受容体サブタイプについて検討した. pirenzepineは, 陰性変時・変伝導作用を用量依存的に抑制したが, その作用は陰性変時作用において, より低用量から有意に認められた. 用量を増すにつれ両者に対する抑制作用はほぼ同等となり, ID_50 値に有意差は認められなかった. AF-DX 116は, 陰性変時・変伝導作用を用量依存的に抑制し, ID_50 値に有意差は認められなかった. 一方atropineは, 両者を用量依存的に抑制したが, 変時作用のID_50 値は変伝導作用のそれより有意に小さかった. 以上の結果より, 陰性変時・変伝導作用は, 主としてM_2 受容体を介しているが, 変時作用の一部はM_1 受容体を介していると思われた. また, atropineで認められた抑制様式の明らかな差は, サブタイプの分布の遠いのみでは説明がつかないことが示唆された.
ISSN:0015-5691