フローサイトメーターを用いた好中球の食作用測定に関する研究

従来より骨髄ペルオキシダーゼの生理学的意義について検討を加えてきた. 今回, 好中球の食作用におけるミエロペルオキシダーゼの役割を明らかにする一端として, フローサイトメーターを用いた食作用の測定について基礎的な検討を加えた. 「方法」カゼイン投与ラット(Wistar)の腹腔から好中球を採取した. 食作用の測定は, 蛍光ビーズ(fluoresbright Carboxylate,Polysciences)と好中球とを37℃で反応させた後, 遊離の蛍光ビーズを除去し, フローサイトメーター(EPICS 750)を用いて行った. 「結果・考察」(1)好中球1個あたりに取り込まれたビーズの数は1,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.95 (2), p.136-136
Hauptverfasser: 藤田貢, 李英培, 仮家公夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来より骨髄ペルオキシダーゼの生理学的意義について検討を加えてきた. 今回, 好中球の食作用におけるミエロペルオキシダーゼの役割を明らかにする一端として, フローサイトメーターを用いた食作用の測定について基礎的な検討を加えた. 「方法」カゼイン投与ラット(Wistar)の腹腔から好中球を採取した. 食作用の測定は, 蛍光ビーズ(fluoresbright Carboxylate,Polysciences)と好中球とを37℃で反応させた後, 遊離の蛍光ビーズを除去し, フローサイトメーター(EPICS 750)を用いて行った. 「結果・考察」(1)好中球1個あたりに取り込まれたビーズの数は1, 2, 3および4個以上に分離できた. (2)細胞の食作用は濃度に依存しており0℃では観察されなかった. (3)ニフェジピン(10 μM), インドメタシン(10 μM)により食作用は, 有意に抑制された. (4)A23187(2.5 μM)およびペプチド性走化性因子であるFMLP(100 nM)は食作用を亢進させたが, 両者の経時変化は異なっていた. (5)ミエロペルオキシダーゼの強力な阻害剤であるプロピルチオウラシルは食作用を一部阻害した. 以上より, ミエロペルオキシダーゼが食作用において何らかの役訂を担っていることが示唆された.
ISSN:0015-5691