単離腸筋神経節におけるcyclic AMP量の変動とプロスタグランジン

単離した腸筋神経節を用いてcyclic AMP(cAMP)量を測定し, 内因性プロスタグランジン(PGs)によるアセチルコリン(ACh)放出調節との関係について検討した. 「方法」モルモット回腸縦走筋標本をコラゲナーゼ(3mg/ml)を含むTyrode氏液中で37℃, 2時間incubateした後, 筋層より剥離した腸筋神経節を集めた. この単離腸筋神経節を用いて, ACh放出量の変化をHPLCにより, cAMP量の変化をRIA法により測定した. 「結果」インドメタシン(IND, 2.8μM)処置により, 腸筋神経節かちの自発性ACh放出量はcontrol値の78.5%に, ニコチン(61.6...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.95 (2), p.130-130
Hauptverfasser: 沢田勝志, 竹内正吉, 矢ケ崎修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:単離した腸筋神経節を用いてcyclic AMP(cAMP)量を測定し, 内因性プロスタグランジン(PGs)によるアセチルコリン(ACh)放出調節との関係について検討した. 「方法」モルモット回腸縦走筋標本をコラゲナーゼ(3mg/ml)を含むTyrode氏液中で37℃, 2時間incubateした後, 筋層より剥離した腸筋神経節を集めた. この単離腸筋神経節を用いて, ACh放出量の変化をHPLCにより, cAMP量の変化をRIA法により測定した. 「結果」インドメタシン(IND, 2.8μM)処置により, 腸筋神経節かちの自発性ACh放出量はcontrol値の78.5%に, ニコチン(61.6μM)誘発性ACh放出量はcontrol値の52.3%に抑制された. INDとPGE_2 (14.3nM)を同時に処置したときは, 両放出量ともcontrol値と変わらなかった. 腸筋神経節におけるcAMP量は9.2pmol/mg protein/20 minで, IND処置によりcontrol値の59.8%に減少した. INDとPGE_2 を同時に処置したときのcAMP量はcontrol値と変わらなかった. ニコチンはcAMP量に変動を与えなかった. 「考察」自発的に放出されている内因性PGsが腸筋神経節のcAMP量を維持しているという結果は, PGsがcAMP系を介して腸神経活動を調節するという作用仮説を更に支持する.
ISSN:0015-5691