高血圧自然発症ラットにおけるLi塩投与の影響

前回, 高血圧自然発症ラット(SHR)に塩化リチウム(Li)i)を投与した際の行動, 特にT字型複合迷路を用いての学習行動について報告した. 今回, 我々はこの学習行動の影響につき, 更に検討を加えるため中枢神経系のcholinergic neuronの刺激薬であるnicotineを用い, その刺激下の学習行動を比較し, SHRとWKYの差異について検討を加えた. 同一週令の3~4匹を一群として学習行動は体重減量(80%)として動機づけ, 餌の獲得学習をもって行い・試行回数1日6回5日間の試行をもって比較した. nicotine 投与は急性投与(1mg/kg/day)及び慢性投与(0.01%液...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.95 (2), p.116-116
Hauptverfasser: 永井和男, 宮田貞雄, 磯博之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:前回, 高血圧自然発症ラット(SHR)に塩化リチウム(Li)i)を投与した際の行動, 特にT字型複合迷路を用いての学習行動について報告した. 今回, 我々はこの学習行動の影響につき, 更に検討を加えるため中枢神経系のcholinergic neuronの刺激薬であるnicotineを用い, その刺激下の学習行動を比較し, SHRとWKYの差異について検討を加えた. 同一週令の3~4匹を一群として学習行動は体重減量(80%)として動機づけ, 餌の獲得学習をもって行い・試行回数1日6回5日間の試行をもって比較した. nicotine 投与は急性投与(1mg/kg/day)及び慢性投与(0.01%液飲料水-2週間)で比較を行った. 結果はゴールへの到達時間の潜時ならびに袋路への進入回数(誤数)の変化をもって表したnicotine の急性投与では ataxia の発生がみられたが翌日の学習への影響は殆ど認められなかった. 慢性投与では, 行動の活発化, rearing の増大ととも, 学習においても潜時, 誤数の減少が示され, 学習効果への刺激が起っていると考えられた. この効果はWKY よりSHR が著明であった. 又 scopolamine 40mg/kg投与で, この効果は抑制された. Li長期投与群では, この刺激効果は一過性でその後勘制された. この nicotine 慢性投与による学習刺激作用は readingの増大時, 逆耐性と関連すると考えられ, 興味がもたれる.
ISSN:0015-5691