モルモット門脈平滑筋単一カルシウム電流に対するエンドセリンの効果

モルモット門脈より単離調整した平滑筋細胞に膜電位固定法を応用し, エンドセリンのバリウム電流に対する効果を検討し以下の結果を得心(1)エンドセリンは容量依存的にBa内向き電流を増加させた. 保持電位-60mVの条件下では, この増強作用は脱分極刺激の大きさに影響されなかったが, 保持電位-80mVでは-30~-10mVの範囲で増強作用が著明であった. (2)モルモット門脈平滑筋には12pSと22pSのコンダクタンスを持つ2種類のカルシウムチャネルが存在し, 両者ともニフェジピンにより抑制されたが, 後者は前者より同薬物に対して感受性が高かった. (3)外液に投与したエンドセリンは両方のチャンネ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.95 (2), p.89-89
Hauptverfasser: 井上善仁, 中尾一久, 北村憲司, 栗山煕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:モルモット門脈より単離調整した平滑筋細胞に膜電位固定法を応用し, エンドセリンのバリウム電流に対する効果を検討し以下の結果を得心(1)エンドセリンは容量依存的にBa内向き電流を増加させた. 保持電位-60mVの条件下では, この増強作用は脱分極刺激の大きさに影響されなかったが, 保持電位-80mVでは-30~-10mVの範囲で増強作用が著明であった. (2)モルモット門脈平滑筋には12pSと22pSのコンダクタンスを持つ2種類のカルシウムチャネルが存在し, 両者ともニフェジピンにより抑制されたが, 後者は前者より同薬物に対して感受性が高かった. (3)外液に投与したエンドセリンは両方のチャンネルの開口時間を延長させ, チャンネルの開口が認められない”blank sweep”の比率を低下させた. (4)22pSチャネルに対する増強作用は脱分極刺激中一定であったが, 12pSチャンネルに対する作用は脱分極刺激の前半に強く, 後半は減弱する傾向があった. (5)ピペット内に投与したエンドセリンも同様に, 両チャンネルを活性化させたが, この効果は外液に投与した場合ほど頻繁には認められなかった. 以上の結果よりエンドセリンはモルモット門脈平滑筋細胞の2種類のCaチャネルに対して増強作用を有しており, これらの作用がこの物質の血管収縮作用に強く関与することがわかった.
ISSN:0015-5691