本邦産植物カギカズラおよびチョウジソウ含有インドールアルカロイドの血管拡張作用

本邦産植物のカギカズラおよびチョウジソウから得られたインドールアルカロイドのhirsutine(HS),hirsuteine(HST)およびβ-yohimbine(β-Y)の血管拡張作用を麻酔犬を用いて検討した.HS,HSTおよびβ-Yは,動脈内への局所投与により全身血圧には影響を与えない用量で後肢動脈の血流を増加させ血管拡張作用を示した.HSおよびHSTの作用効力は若干HSの方がHSTよりも強く,またパパベリンと比較してほぼ同程度であった.一方,β-Yの血管拡張作用は,yohimbineと同様にα-adrenoceptorの抑制によることが少なくとも考えられた.その作用効力はyohimbin...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1990, Vol.95(2), pp.47-54
1. Verfasser: 尾崎, 幸紘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本邦産植物のカギカズラおよびチョウジソウから得られたインドールアルカロイドのhirsutine(HS),hirsuteine(HST)およびβ-yohimbine(β-Y)の血管拡張作用を麻酔犬を用いて検討した.HS,HSTおよびβ-Yは,動脈内への局所投与により全身血圧には影響を与えない用量で後肢動脈の血流を増加させ血管拡張作用を示した.HSおよびHSTの作用効力は若干HSの方がHSTよりも強く,またパパベリンと比較してほぼ同程度であった.一方,β-Yの血管拡張作用は,yohimbineと同様にα-adrenoceptorの抑制によることが少なくとも考えられた.その作用効力はyohimbineと同程度であり,パパベリンと比較すると強かった.HSは,動脈内への局所投与により冠状動脈および脳動脈の血流を増加させた.この時全身血圧には影響を与えなかったので,この作用は血管拡張作用と考えられた.これらの血管拡張作用の効力は血管の部位により若干の相違が認められ,冠状動脈における血管拡張作用の効力はパパベリンと比較して若干弱く,脳動脈における作用効力はほぼ同程度であった.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.95.2_47