一過性全脳虚血による圧受容体反射活性の低下

圧受容体反射活性(BRS)に対する一過性全脳虚血の影響をペントバルビタール麻酔群(P群)とハロタン麻酔群(H群)との間で比較検討した. 「方法」雑種成犬をP群ではペントバルビタール 32mg/kg i. v. で麻酔し, 以後3.2mg/kg/hr i. v. を持続注入した. H群ではチオペンタール20~30 mg/kg i. v. でまず麻酔し, その後かなり覚醒した段階でハロタン2%を約10分間吸入させ, 以後 0.5~1 %で維持した. あらかじめ肋間動脈を約14本結紮した上で, 左鎖骨下動脈と腕頭動脈の起始部を鉗子で5分間閉塞して虚血処置を行った. BRSは塩酸フェニレフリンによる反...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1989, Vol.94 (6), p.394-394
Hauptverfasser: 栗原順一, 佐原立浩, 富田博, 谷口真史, 玉置賢, 岡崎聖子, 加藤仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:圧受容体反射活性(BRS)に対する一過性全脳虚血の影響をペントバルビタール麻酔群(P群)とハロタン麻酔群(H群)との間で比較検討した. 「方法」雑種成犬をP群ではペントバルビタール 32mg/kg i. v. で麻酔し, 以後3.2mg/kg/hr i. v. を持続注入した. H群ではチオペンタール20~30 mg/kg i. v. でまず麻酔し, その後かなり覚醒した段階でハロタン2%を約10分間吸入させ, 以後 0.5~1 %で維持した. あらかじめ肋間動脈を約14本結紮した上で, 左鎖骨下動脈と腕頭動脈の起始部を鉗子で5分間閉塞して虚血処置を行った. BRSは塩酸フェニレフリンによる反射性徐脈を指標として測定した. 延髄背側部血流量(rCBF)は交叉熱電対法および水素クリアランス法で測定した. 「結果」虚血前のBRS, rCBF, 脳波および虚血中の延髄背側部残存血流量に関して両群間に差は認められなかった. P群では再灌流後3時間以上にわたってBRSが虚血前に比べて約50%低下したが, H群では約20%しか低下せず, その差は有意であった. また, P群では再灌流後にrCBFの有意な低下が生じたが, H群では生じなかった. 以上, H群では一過性全脳虚血の影響がP群に比べて軽度であることが明かとなった.
ISSN:0015-5691