ウサギ肝臓トロポミオシンの精製とその性質

肝臓に収縮蛋白質が存在することは判っており, これまでにミオシン, アクチンが精製されている. アクチン系のもう一つの重要な収縮蛋白質トロポミオシンはこれまで精製されていないので, 今回その精製を試みた. 小量のトロポミオシンを精製するのに, 平滑筋からカルデスモンを精製する方法を利用した. 肝臓の組織を軽くホモジェナイズして, 4,000rpm で5分間遠心し, その上清を90°Cで5分熱処理し, 遠心して上清をとる. 次いで25-40g/dlの範囲の硫安分画を行う. この沈澱をDEAE-セファセルカラムに適用し30-250mM XClグラジュエント150mM近辺でピークがでてくる. この分...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1989, Vol.94 (6), p.392-392
Hauptverfasser: 張学軍, 黒川博生, 桜井隆, 大見和宏, 野々村禎昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝臓に収縮蛋白質が存在することは判っており, これまでにミオシン, アクチンが精製されている. アクチン系のもう一つの重要な収縮蛋白質トロポミオシンはこれまで精製されていないので, 今回その精製を試みた. 小量のトロポミオシンを精製するのに, 平滑筋からカルデスモンを精製する方法を利用した. 肝臓の組織を軽くホモジェナイズして, 4,000rpm で5分間遠心し, その上清を90°Cで5分熱処理し, 遠心して上清をとる. 次いで25-40g/dlの範囲の硫安分画を行う. この沈澱をDEAE-セファセルカラムに適用し30-250mM XClグラジュエント150mM近辺でピークがでてくる. この分画をハイドロキシアパタイトカラムにかけ0.1-250mMリン酸バファーのグラジェントをかけると100mMと150mM附近でピークがでてくる. 100mM附近のピークは33KDの非筋型で150mM附近のピークが36KDの筋型である. ここで非筋型について, 以下の性質を調べた. 1)熱安定性が高い. 2)Chicken Gizzard 平滑筋のトロポミオシンに対する抗体は弱いが反応する. 3)尿素を含むSDS電気泳動で移動度が遅くなる. 4)アクチンとの結合性がMgの依存性があるが, 結合性は弱い. 5)アミノ酸組成についてはグルタミックスが多く, プロリンが存在しないというトロポミオシンの特徴を示している.
ISSN:0015-5691