薬物依存の研究
GSBA_A receptorar antagonist である bicuculline は, 急性投与により中枢の抑制性伝達物質である GABA に拮抗することにより, 痙攣を引き起こすことが知られている. 今回は, それ自身では痙攣を引き起こさない bicuoulline の subconvulsant dose を慢性的に処置した後, 数種薬物の抗けいれん作用および催眠作用に対する影響について遺伝的に均一な近交系ラットを用いて検討した. 「実験方法」実験には, 雄性の F344 および LEW ラットを使用した. Bicuculline(2 mg/kg,i. p. )を12日間1日1回,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1989, Vol.94 (6), p.387-387 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | GSBA_A receptorar antagonist である bicuculline は, 急性投与により中枢の抑制性伝達物質である GABA に拮抗することにより, 痙攣を引き起こすことが知られている. 今回は, それ自身では痙攣を引き起こさない bicuoulline の subconvulsant dose を慢性的に処置した後, 数種薬物の抗けいれん作用および催眠作用に対する影響について遺伝的に均一な近交系ラットを用いて検討した. 「実験方法」実験には, 雄性の F344 および LEW ラットを使用した. Bicuculline(2 mg/kg,i. p. )を12日間1日1回, 腹腔内投与した. 対照群にはvehicleを同様に投与した. 最終投与24時間後に抗けいれん作用および催眠作用の実験を行った. 1. 抗けいれん作用:Diazepam(1mg/kg,i. p. 〉投与30分後にbicucullinc(0.05mg/ml)溶液をラット尾静脈から持続注入(0.83ml/min)し, 痙攣が発現するまでの時間を測定することにより痙攣閾値を算出した. また, pentobarbital(20mg/kg,i. p. )は投与20分後に同様の実験を行った. 2. 催眠作用:Muscimol pentobarbital, ethanol, barbitalを腹腔内投与し, 正面反射が消失するまでの時間(onset time), 正向反射が回復するまでの時間(sleep time)を測定した. 「実験結果・考察」Bicuculline の慢性適用のみの痙攣閾値は両系共に, naive のラットでの値と有意差はなかった. Diazepam 投与により痙攣閾値の上昇がみられ, 抗けいれん効果が認められた. しかしながら, F344 で bicuculline 慢性投与群と対照群の値はそれぞれ 0.76, 1.13 mg/kgであり, bicuculline 慢性投与群は同対照群に比べ有意に抗けいれん効果の減弱が認められた. LEWでも同様な結果が得られた. また, bicucullineの 単回投与ではdiazepam の抗けいれん効果に有意な変化はなかった. 一方, pentobarbital では bicuoulline 慢性投与群と対照群の間で有意差は認められなかった. また, これらの diazepam と pentobarbital の抗けいれん作用には著明な系統差が存在することが示された. 以上の結果より, bicuculline の慢性処置による diazepam の抗けいれん作用の減弱は benzodiazepinereceptor の機能的変化に起因するものと考えられる°また, 催眠作用に関しては試験した全ての薬物においてbicuculline 慢性投与群と対照群で有意差はなかったことより, 催眠作用は bicuculline の慢性処置によりほとんど影響を受けないものと考えられる. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |