新ウワバイン受容体タンパク(31.5KD 糖タンパク)のCa^2+ 親和性

(目的)我々は, ネコ心筋Transverse tubule membrane and junc tional sarcoplasmic reticulum complexes(TTM-JSR)から, ^^3 H-ouabainによりphotolabelされる新糖タンパク31.5KDを溶出した. 又, phenyl-glyoxalxal(PGO)により, 特異的にE-C linkを遮断されたネコ心筋およびカエル骨格筋TTM-JSRから, ^^14 C-PGOに結合する31.5KDにタンパクもすでに溶出し, これらが同一のタンパクであることを確認した. 今回, このタンパクの^^45 Ca親和性...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1989, Vol.94 (5), p.339-339
Hauptverfasser: 佐藤久美, 加土哲夫, 藤野澄子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)我々は, ネコ心筋Transverse tubule membrane and junc tional sarcoplasmic reticulum complexes(TTM-JSR)から, ^^3 H-ouabainによりphotolabelされる新糖タンパク31.5KDを溶出した. 又, phenyl-glyoxalxal(PGO)により, 特異的にE-C linkを遮断されたネコ心筋およびカエル骨格筋TTM-JSRから, ^^14 C-PGOに結合する31.5KDにタンパクもすでに溶出し, これらが同一のタンパクであることを確認した. 今回, このタンパクの^^45 Ca親和性についての実験を試みた. (方法)ネコの心筋および骨格筋から, 既報の方法に従い1),TTM-JSRを遊離した. これについて, Con A affinity chromatographyを行い目的の糖タンパクを溶出した. 溶出タンパクを, Caと高親和性をもつCalmodulinとともにSDS-PAGE を行い, その後, NC膜に転写した. この膜について^^45 CaCl_2 とのBinding実験を行った. 60mM KCl1.5mM MgCl_2,10mM Imidazole-HCl(pH6.8)中で, 2μCi^^45 CaCl_2 /ml(8.8x10^-7 MCa)と室温で10分間, インキュベートし, 5分間洗浄した後, Xray film(kodak XAR-5)でAutoradiographyを行った. filmに対する各バンドからの被曝量を, デンシトメーターで測定した. この測定値から, ネコ心筋およびカエル骨格筋単位タンパク量(mole)あたりの31.5KDの^^45 Ca親和性を, 算出し, Calmodulinのそれと比較した. (結果, 考察)タンパク定量の結果, 心筋1gあたり, 0.57mg, 骨格筋1gあたり, 0.83mgのTTM-JSR収量が得られた. 得られたCon A sensitive proteinのうち, 31.5KDは, ネコ心筋で19.9%, カエル骨格筋で6.3%であった. 単位タンパク量(mole)あたりの^^45 Ca親和性は, Calmodulin を100とすると, ネコ心筋TTM-JSRの31.5KDは, 17.1, カエル骨格筋ては, 41.8であった. ^^45 Ca親和性は. ネコ心筋のCon A sensitive proteinの31.5KD以外のバンドでは, タンパク量は31.5KDの約1/3以下であるが, ^^45 Ca結合を示したものはなかった. カエル骨格筋のCon A senseitive proteinでは, 31.5KDとともに66KDが^^45 Ca親和性を示した. 以上の結果から, 新ウワバイン受容体タンパクである31.5KDの, 糖タンパクは, Caに対し, 結合能を有することが示唆された. 1)Experientia 45,466-469(1989)
ISSN:0015-5691