Benzofurancarboxamide 誘導体,Y-20024 の抗精神病薬としての薬理学的特徴

benzofurancarboxamide 誘導体,Y-20024 の中枢ドーパミン受容体に及ぼす影響を sulpiride および haloperidol を対照薬として行動薬理学的に検討し,以下の成績を得た.1)apomorphine によるマウスの自発運動亢進に対して拮抗作用を示し,経口投与,静脈内投与および脳室内投与での効力は sulpiride のそれぞれ10倍,2倍および1/3倍であった.2)apomorphine によるマウスの低体温に対してY-20024 および sulpiride は拮抗作用を示したが,haloperidol は拮抗しなかった.3)apomorphine によ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1989, Vol.94(5), pp.269-280
Hauptverfasser: 福田, 武美, 森本, 保人, 森本, 敏彦, 正路, 英典, 村上, 修, 田原, 哲冶, 瀬戸口, 通英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:benzofurancarboxamide 誘導体,Y-20024 の中枢ドーパミン受容体に及ぼす影響を sulpiride および haloperidol を対照薬として行動薬理学的に検討し,以下の成績を得た.1)apomorphine によるマウスの自発運動亢進に対して拮抗作用を示し,経口投与,静脈内投与および脳室内投与での効力は sulpiride のそれぞれ10倍,2倍および1/3倍であった.2)apomorphine によるマウスの低体温に対してY-20024 および sulpiride は拮抗作用を示したが,haloperidol は拮抗しなかった.3)apomorphine によるラットの常同行動(gnawing behavior)に対して Y-20024 および sulpiride は haloperidol とは異なり,拮抗作用を示さなかった.4)apomorphine によるイヌの嘔吐に対して Y-20024 は拮抗し,その効力は sulpiride とほぼ同等,haloperidol の約1/2倍であった.5)Y-20024 は sulpiride と同様にラットでの methamphetamine 毒性増強作用を示したが,haloperidol は示さなかった.6)Y-20024 は 500mg/kg でカタレプシー惹起作用を示した.7)Y-20024 は sulpiride と同用量で同等のプロラクチン分泌亢進作用および乳腺刺激作用を示した,以上より,Y-20024 は sulpiride の有する特徴的な薬理学的性質を併せもつとともに,sulpiride よりも消化管からの吸収および血液―脳関門の透過性が改善されており,有用性の高い抗精神病薬になり得ることが期待される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.94.269