Quinacrine や tetracaine 等による脱感作抑制作用について
Quinacrine,Chloroquine,tetracaine 及び procaine は ACh,histamine(Hist), β-agonist などによってひきおこされる回腸, 盲腸紐, 培養神経細胞などの脱感作を抑制することが報告されている. これらの薬物の脱感作を抑制する機序については, まだ完全には明らかにされていない. 私達はモルモット回腸縦走筋において, quinacrine 及び tetracaine が ACh 及び Hist でひき起こされる脱感作を抑制することを報告してきたが, 今回, これら4種の薬物が ACh 及び Hist と構造的に一部類似していることに...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1989, Vol.94 (3), p.248-248 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Quinacrine,Chloroquine,tetracaine 及び procaine は ACh,histamine(Hist), β-agonist などによってひきおこされる回腸, 盲腸紐, 培養神経細胞などの脱感作を抑制することが報告されている. これらの薬物の脱感作を抑制する機序については, まだ完全には明らかにされていない. 私達はモルモット回腸縦走筋において, quinacrine 及び tetracaine が ACh 及び Hist でひき起こされる脱感作を抑制することを報告してきたが, 今回, これら4種の薬物が ACh 及び Hist と構造的に一部類似していることに着目してこれら4種の薬物の脱感作抑制作用の機序について検討した. モルモット回腸縦走筋において, quinacrine,chloroquine,tetracaine,procaine は ACh-収縮を濃度依存的に抑制した. その効力順位は quinacrine≧chloroquine>tetracaine≧procaine であった. さらに, これらの薬物は Hist-収縮を抑制し, その効力順位は chloroquine≧quinacrine>tetracaine≧procaine であった. これより, これらの薬物は受容体への ACh および Hist の結合を阻害している可能性が考えられた. そこで, ムスカリン, ヒスタミン H_1 受容体それぞれに選択的に結合する N-methyl-「^^3 H」-scopolamine(「^^3 H」NMS)と「^^3 H」-mepyramine(「^^3 H」MEP)を用いて受容体結合実験をおこない, 受容体レベルでのこれらの薬物の脱感作抑制機序の解析をおこなった. Quinacrine,chloroquine,tetracaine および procaine は「^^3 H」NMS の受容体への特異的結合を阻害し, その効力順位は quinacrine>chloroquine>tetracaine>procaine となった. さらに, これらは「^^3 H」MEP の特異的結合に対しても阻害作用を示し, その効力順位は chloroquine≧quinacrine>tetracaine>procaine となり, 収縮に対する阻害効果の順位とほぼ一致していた. これら4種の薬物は ACh-収縮および Hist-収縮に対する抑制効果と結合阻害の効力順位が一致しており, 受容体に対する agonist の結合を阻害している可能性が考えられる. すなわち, 受容体を介した収縮反応が抑えられた結果として, 脱感作を抑制しているのではないかと考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |