非ステロイド性鎮痛,解熱注射薬 LFP83 の薬理学的研究
非ステロイド性鎮痛,解熱注射薬 LFP83 の薬理作用をマウス,ラットおよびウサギを用いて検討した.LFP83 は,強力な prostaglandin 生合成阻害薬である flurbiprofen(FP)を活性代謝物とするプロドラッグである.酢酸 writhing,Randall and Selitto 法,関節炎疼痛,酵母発熱,LPS発熱,carrageenin 浮腫,adjuvant 関節炎などのモデルで LFP83(i.v.)は顕著な鎮痛,解熱,抗炎症作用を示し,ketoprofen(i.m.)や aspirin DLI-lysine(i.v.)よりも強力であった.LFP83(i.v.)...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1989, Vol.93(2), pp.61-73 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 非ステロイド性鎮痛,解熱注射薬 LFP83 の薬理作用をマウス,ラットおよびウサギを用いて検討した.LFP83 は,強力な prostaglandin 生合成阻害薬である flurbiprofen(FP)を活性代謝物とするプロドラッグである.酢酸 writhing,Randall and Selitto 法,関節炎疼痛,酵母発熱,LPS発熱,carrageenin 浮腫,adjuvant 関節炎などのモデルで LFP83(i.v.)は顕著な鎮痛,解熱,抗炎症作用を示し,ketoprofen(i.m.)や aspirin DLI-lysine(i.v.)よりも強力であった.LFP83(i.v.)の鎮痛効力は,pentazocine(i.m.)と同等かそれ以上であり,持続時間は aspirin DL-lysine(i.v.)や pentazocine(i.m.)よりも長かった.また,LFP83(i.v.)の効力は,FP(p.o.)と同等以上で鎮痛効果の発現も早かった.一方,LFP83(i.v.)のラット胃粘膜に対する障害作用は,単回投与および7日間の連続投与のいずれにおいても FP(p.o.)よりも弱く,薬効用量(ED50値)と胃粘膜障害用量(UD50値)との比で示される安全指数は,LFP83(i.v.)の方が FP(p.o.)よりも3倍から20倍程度大きかった.以上,LFP83 は強力な鎮痛,解熱,抗炎症作用を示す注射薬で,経口薬 FP よりも強力且つ即効性で胃粘膜障害作用が弱い安全指数の高い薬物である. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.93.61 |