ラット線条体からの内因性ドパミン遊離に及ぼす外液pHの影響
ラット線条体のドパミン(DA)を指標にして, 外液pHの変化が神経伝達物質遊離にどのような影響を及ぼすかを検討した. 灌流液中に遊離された内因性DAはアルミナ吸着後, HPLCを用いて電気化学的に一定した. 得られた成積をまとめると, 1)外液pHを6.6,7.4(正常), 7.8と変化させても, DAの自然遊離には影響を与えなかった. 2)電気刺激(10Hz, 2msec, 30mA,min)によるDA遊離は, 外液pHを6.6および7.8にすすることで促進した. そこで, pH6.6についてさらに検討した. 3)pH6.6でのDA遊離促進は外液Ca^++ を0.5mMまで減少しても, 1....
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1989, Vol.93 (1), p.68-68 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ラット線条体のドパミン(DA)を指標にして, 外液pHの変化が神経伝達物質遊離にどのような影響を及ぼすかを検討した. 灌流液中に遊離された内因性DAはアルミナ吸着後, HPLCを用いて電気化学的に一定した. 得られた成積をまとめると, 1)外液pHを6.6,7.4(正常), 7.8と変化させても, DAの自然遊離には影響を与えなかった. 2)電気刺激(10Hz, 2msec, 30mA,min)によるDA遊離は, 外液pHを6.6および7.8にすすることで促進した. そこで, pH6.6についてさらに検討した. 3)pH6.6でのDA遊離促進は外液Ca^++ を0.5mMまで減少しても, 1.9mM(正常)の場合と同様に認められた. しかし, 外液Ca^++ を除去し, さらにEDTA 1mM添加すると, pH7.4および6.6いずれのpHでのDA遊離も完全に消失した. 4)sulpiride 10μMの存在下においてもpH6.6におけるDA遊離促進は影響されなかった. 5)nomifensine 10μM存在下でDAの取り込みをほぼ抑制した条件においてもpH6.6におけるDA遊離促進は影響されなかった. 以上の成積より, 低pHでのDA遊離促進作用は外液Ca^++ との関連で結論を得なかったが, D_2 受容体の機能抑抑または, DA取り込み阻害, そのいずれにも基づかないのであろう. |
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ISSN: | 0015-5691 |