ウサギ血小板におけるヒスタミンH_1 受容体を介したホスホリパーゼA_2 活性の調節

末梢臓器や血球系細胞の細胞内顆粒に貯蔵されているヒスタミンは, 血中に放出され血管系活性化物質として炎症反応に大きな役割を果たしている. 今回, 我々は「^^3 H」アラキドン酸標識したウサギ血小板でヒスタミンH_1 受容体を刺激すると, アラキドン酸放出すること, さらにその機構にGTP結合蛋白質の関与することを見出した. (結果):1)ヒスタミンは, 無傷細胞では「^^3 H」アラキドン酸放出をひき起こしたが, 界面活性剤ジギトニンを用いて透過性を高めた血小板ではほとんど無効であった. 2)透過性細胞では, GTPまたはG↑P誘導体を共存させた場合にはヒスタミンはアラキドン酸放出を促進させ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1988, Vol.92 (6), p.428-428
Hauptverfasser: 梶山泰生, 村山俊彦, 野村靖幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:末梢臓器や血球系細胞の細胞内顆粒に貯蔵されているヒスタミンは, 血中に放出され血管系活性化物質として炎症反応に大きな役割を果たしている. 今回, 我々は「^^3 H」アラキドン酸標識したウサギ血小板でヒスタミンH_1 受容体を刺激すると, アラキドン酸放出すること, さらにその機構にGTP結合蛋白質の関与することを見出した. (結果):1)ヒスタミンは, 無傷細胞では「^^3 H」アラキドン酸放出をひき起こしたが, 界面活性剤ジギトニンを用いて透過性を高めた血小板ではほとんど無効であった. 2)透過性細胞では, GTPまたはG↑P誘導体を共存させた場合にはヒスタミンはアラキドン酸放出を促進させた. 3)このヒスタミンの作用は, メピラミン(H_1 受容体アンタゴニスト)により阻害されたが, シメチジン(H_2 受容体アンタゴニスト)の阻害効果は低かった. 4)透過性細胞においてはヒスタミン受容体刺激なしでも, GTPγS, GppNHp, またはALF_4 ^- を添加した場合, アラキドン酸放出をひき起こした. 5)IAP(百日咳毒素)前処理により, 受容体刺激によるアラキトン酸放出は減弱した. 6)マウス抗Gi/Go抗血清前処理により, ヒスタミン刺激によるアラキドン酸放出は減弱した. (考察):ウサギ血小板には, H_1 ヒスタミン受容体が存在し, IAP感受性のGTP結合蛋白質Giおよび/またはGoを介してホスホリバーゼA_2 を活性化していることが示唆された.
ISSN:0015-5691