摘出ウサギ瞳孔括約筋におけるニコチンによるコリン作動性及びタキキニン作動性の収縮反応

副交感神経及び知覚神経の支配を受けているが組織中に神経節を含んでいない瞳孔括約筋におけるニコチン(Nc)の作用点, 作用機序について検討した. Ncはウサギ瞳孔括約筋を濃度依存的に収縮させた. ほぼ最大反応を与える0.1 mM Ncによる収縮はヘキサメトニウムにより阻止されたがテトロドトキシンによっては全く影響を受けなかった. またフィゾスチグミンにより増強されたが, アトロピンによっては完全には遮断されなかった. カブサイシン処理及び「D-Arg^1 ,D-Pro^2 ,D-Trp^7,9 ,Leu^11 」サブスタンスP(rpww-SP)によっても部分的に抑制された. アトロピン存在下にお...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1988, Vol.92 (3), p.240-240
Hauptverfasser: 久山哲廣, 新海美智子, 高柳一成, 守本慎一, 石田克子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:副交感神経及び知覚神経の支配を受けているが組織中に神経節を含んでいない瞳孔括約筋におけるニコチン(Nc)の作用点, 作用機序について検討した. Ncはウサギ瞳孔括約筋を濃度依存的に収縮させた. ほぼ最大反応を与える0.1 mM Ncによる収縮はヘキサメトニウムにより阻止されたがテトロドトキシンによっては全く影響を受けなかった. またフィゾスチグミンにより増強されたが, アトロピンによっては完全には遮断されなかった. カブサイシン処理及び「D-Arg^1 ,D-Pro^2 ,D-Trp^7,9 ,Leu^11 」サブスタンスP(rpww-SP)によっても部分的に抑制された. アトロピン存在下におけるカブサイシン処理, あるいはrpwwL-SPとの併用によりNcに対する反応はほほ完全に阻止された. Nc収縮はブラゾシン, メチセルギド, クロルフェニラミン及びフルルビロフェンによって影響を受けなかった. 神経節のない瞳孔括約筋においてテトロドトキシン抵抗性Nc収縮が観察されたことより, Ncは神経末端に存在するNc受容体と相互作用して筋を収縮させていることが示唆された. Ncは副交感神経からはアセチルコリン, 知覚神経からはタキキニンを遊離していると考えられる.
ISSN:0015-5691