加齢と生体反応

ヒトでは, 加齢に伴う空腹時血糖の上昇および耐糖能の低下が知られている. 今回, ラットを用い加齢とグルコース(G)代謝について検討した. 絶食下および非絶食下の血糖値は, A群(2~3月齢), B群(9~11月齢), C群(17~19月齢)の間に顕著な差はみられなかった. 4g/kgのGの経口負荷による血糖上昇は負荷30分後ではA, B群に比べC群は小さく, 4時間後にはA群は負荷前の値に戻っているのに対し, B,C群では高値を保っていた. 負荷1時間後に血漿インスリン(I)の上昇がみられたが, その上昇はA群に比べB, C群では軽度であったが, 3時間後には逆にB, C群で顕著であった....

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1988, Vol.92 (3), p.218-218
Hauptverfasser: 相坂一雄, 黒木まなみ, 斎藤巨志, 井上照好, 石原高文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヒトでは, 加齢に伴う空腹時血糖の上昇および耐糖能の低下が知られている. 今回, ラットを用い加齢とグルコース(G)代謝について検討した. 絶食下および非絶食下の血糖値は, A群(2~3月齢), B群(9~11月齢), C群(17~19月齢)の間に顕著な差はみられなかった. 4g/kgのGの経口負荷による血糖上昇は負荷30分後ではA, B群に比べC群は小さく, 4時間後にはA群は負荷前の値に戻っているのに対し, B,C群では高値を保っていた. 負荷1時間後に血漿インスリン(I)の上昇がみられたが, その上昇はA群に比べB, C群では軽度であったが, 3時間後には逆にB, C群で顕著であった. glibenclamide(3mg/kg,p.o.)によるIの上昇はC群で顕著であったが, 血糖の低下は答群同程度であった. Iの腹腔内投与による血糖低下は加齢とともに減少した. 尚, 24月齢のHbA_1C 値はA群よりも高値であった. ラットでは基礎血捨値に加齢変化は殆どないが, 糖の吸収能や利用能は低下し, HbA_1C が上昇していること等から, 後者はIの分泌速度や作用の低下によるものであると思われる.
ISSN:0015-5691