ラット心筋細胞における百日咳毒素によるADP-ribosylationに対するLithiumの効果

G蛋白にLithiumの作用点が存在する報告があり, 今回我々はラット単離心筋細胞膜および精製Giを用いて, 40-41K蛋白(GTP結合蛋白-G蛋白)の百日咳毒素(IAP)によるADP-ribosslationに対するLiClの効果を観た. 40-41K蛋白におけるADP-ribosylationは, GTPγS(1-100μM)存在下に減弱し, GTP結合蛋白におけるものであると考えられた. 次にLiCl(1-10mM)をADP-ribosyhtion反応液(1mM ATP, 10mM thymidine, 1mM EDTA)に加えるとLiClはADP-ribosy1ation量を減弱させ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1988, Vol.92 (3), p.213-213
Hauptverfasser: 川本日出男, 渡辺康裕, 今泉太郎, 三崎尚之, 吉田博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:G蛋白にLithiumの作用点が存在する報告があり, 今回我々はラット単離心筋細胞膜および精製Giを用いて, 40-41K蛋白(GTP結合蛋白-G蛋白)の百日咳毒素(IAP)によるADP-ribosslationに対するLiClの効果を観た. 40-41K蛋白におけるADP-ribosylationは, GTPγS(1-100μM)存在下に減弱し, GTP結合蛋白におけるものであると考えられた. 次にLiCl(1-10mM)をADP-ribosyhtion反応液(1mM ATP, 10mM thymidine, 1mM EDTA)に加えるとLiClはADP-ribosy1ation量を減弱させたが, NaClによる減弱は観られなかった. このLiclの効果とGTPγs(1-100μM)の効果とは相加性を示さなかった. 一方, MgCl_2 もADP-rihosylation量を減弱させるが, LiClの効果に対し相加性を示した. 更にLiClがG蛋白に直接に作用することを明らかにするため, 精製阻害性G蛋白(Gi)を用いて, LiClの効果を観た. 精製GiにおけるIAPによるADP-ribosylationは2mM LiClにより抑制された. 以上より, LiClはgnanine nucleotideと同一の作用部位, もしくは作用機序を介するが, MgCl_2 とは異なった作用点を介してG蛋白に白く可能性が示唆された.
ISSN:0015-5691