ラット肺サーファクタント分泌に対するSO2ガスの影響

「目的」気管支肺胞でのクリアランスに関し, 肺サーファクタントの役割が注目されている. 今回, SO2ガス曝露によって作成した炎症病態を用い, 病態像との関連を含めて, 肺サーファクタント分泌の変化を調べた. 「方法」Wister系雄性ラット(体重180-200g)を用い, SO2ガス曝露を次の要領で行なった. 急性曝露;第1日・400ppm・4時間 第2日・800ppm・1時間. 慢性曝露;1日2時間・週5日間・1-10週・100-400ppmに漸増させた. 曝露終了後, 肺洗浄を行ない, 気管支肺胞洗浄液(BALF)を得た. その中のリン脂質(PC,DSPC)蛋白質, 過酸化脂質, コレス...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1987, Vol.90 (6), p.380-380
Hauptverfasser: 小田嘉明, 松波裕子, 礒浜洋一郎, 甲斐広文, 高浜和夫, 宮田健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」気管支肺胞でのクリアランスに関し, 肺サーファクタントの役割が注目されている. 今回, SO2ガス曝露によって作成した炎症病態を用い, 病態像との関連を含めて, 肺サーファクタント分泌の変化を調べた. 「方法」Wister系雄性ラット(体重180-200g)を用い, SO2ガス曝露を次の要領で行なった. 急性曝露;第1日・400ppm・4時間 第2日・800ppm・1時間. 慢性曝露;1日2時間・週5日間・1-10週・100-400ppmに漸増させた. 曝露終了後, 肺洗浄を行ない, 気管支肺胞洗浄液(BALF)を得た. その中のリン脂質(PC,DSPC)蛋白質, 過酸化脂質, コレステロール量を測定した. 「結果と考察」慢性曝露の1週間では, 各成分とも変動はなく, 3週間では炎症様の変化が生じ, BALF中のPC, 蛋白質が増加していたが, 肺サーファクタントの指標であるDSPCに変化はなかった. 10週間になると, 肺の肥大, 痰の貯留がみられ, DSPCは増加した. このことから, 曝露3週間以降, 痰の形成に伴いそのクリアランスのために肺サーファクタントの分泌が増加するものと考えられる. なお, 急性曝露では, DSPCの増加はみられなかった.
ISSN:0015-5691