加齢に伴う耳下腺薬物受容体とアミラーゼ分泌能の動態
ラット耳下腺細胞の分化・成長の大部分は生後行われ, また交感・副交感両神経線維による耳下腺腺房細胞の神経支配も生後に進行することか知られている. そこで, 私どもは耳下腺細胞の分化・成長過程における神経系の役割を追求する目的で, ラット耳下腺の薬物受容体及びadenylate cylaseの生後変化を細胞分化の一つの指標であるアミラーゼ分泌との関連において検索した. ラット耳下腺における薬物受容体の数及び親和性を2種のligand, (^^3 H)-dihydroalprenolol(DHA)と(^^3 H)-quinuclidinyl benzilate(QNB)を使って測定した. 両lig...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1987, Vol.90 (3), p.219-219 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ラット耳下腺細胞の分化・成長の大部分は生後行われ, また交感・副交感両神経線維による耳下腺腺房細胞の神経支配も生後に進行することか知られている. そこで, 私どもは耳下腺細胞の分化・成長過程における神経系の役割を追求する目的で, ラット耳下腺の薬物受容体及びadenylate cylaseの生後変化を細胞分化の一つの指標であるアミラーゼ分泌との関連において検索した. ラット耳下腺における薬物受容体の数及び親和性を2種のligand, (^^3 H)-dihydroalprenolol(DHA)と(^^3 H)-quinuclidinyl benzilate(QNB)を使って測定した. 両ligandとも生後3日間でB_max 値が急激に増加し, 4週齢でadult値に達した, (^^3 H)-DHA結合に対するβ-antagonistのIC_50 値は8週齢までは変化を認めなかったが, β-agonistのIC_50 値は, 有意に増加した. 一方, carbachol, atropineに対するmuscarinic receptorの親和性の変化は観察されなかった. 耳下腺切片からのアミラーゼ分泌に対するβ-agonistのEC_50 値は, 成長に伴って著明に減少し, β-adrenergic receptorのβ-agonistに対する親和性の変化とよい対応を示していた. Forskolinに対するadenyl cyclaseの応答は生後有意に変化し8週齢でadult値に達した. 以上の結果から, 耳下腺のβ-adrenergic receptorについては成熟に伴って, その数のみならずβ-agonistに対する親和性の著しい増加が認められた. 一方, muscarinic receptor については, その数の成熟に伴う増加はβ-adrenergic receptorの場合と同様に認められたが, 効果薬や遮断薬に対する親和性に著変を認めなかった. なお, これらの変化はadenyl cyclase活性とは並行して動かなかった. |
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ISSN: | 0015-5691 |