加齢にともなう血管拡張反応の減弱とcGMPの変動
私達は既にhistamineによるラット腸間膜動脈の内膜依存性拡張反応が加齢にともなって減弱することを明らかにした(European J,Phamacol. 126 1986). 今回, ラット大動脈において, 加齢にともなう血管拡張反応の減弱とcGMP産生量の変動について検討した. (1)histamineによるラット大動脈の内膜依存性拡張反応は, 腸間膜動脈と同様に加齢にともなって減弱した. (2)内膜に依存せず. 直接guanylate cyclaseを活性化する nitroprusside(NP)による拡張反応も, 加齢にともなって減弱し, その濃度作用曲線は右方に平行移動した. (3...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1987, Vol.89 (3), p.196-196 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 私達は既にhistamineによるラット腸間膜動脈の内膜依存性拡張反応が加齢にともなって減弱することを明らかにした(European J,Phamacol. 126 1986). 今回, ラット大動脈において, 加齢にともなう血管拡張反応の減弱とcGMP産生量の変動について検討した. (1)histamineによるラット大動脈の内膜依存性拡張反応は, 腸間膜動脈と同様に加齢にともなって減弱した. (2)内膜に依存せず. 直接guanylate cyclaseを活性化する nitroprusside(NP)による拡張反応も, 加齢にともなって減弱し, その濃度作用曲線は右方に平行移動した. (3)cGMPの安定な誘導体である8-bromo cGMPによる拡張反応も加齢にともない幾分減弱した. (4)組織中のcGMP量を radioimunoassay で測定すると, histamineあるいはNPの適用によりcGMPの産生量が増加した. このcGMPの産生量は加齢にともなって減少した. 以上の結果より, 加齢にともなう血管拡張反応の減弱には, guanylate cyclaseの活性の低下とともに, 産生されたcGMP以後の過程の機能低下も関与するものと推察される. |
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ISSN: | 0015-5691 |