膜電位固定法による鶏胎生心のNa電流に対する脱燐酸化剤diacetyl monoximeの効果
Diatyl Monoxime(DAM), 5-20mMはモルモット乳頭筋や鶏胎生期心室筋の活動電位の最大立ち上がり速度(Vmax)を軽度に抑制する. この作用が心筋Na電流(INa)の直接抑制に基づくものかを調べた. 受精後16-19日令の鶏の心室筋をtrypsinで処理し, 遊離細胞とした後, 培養した(径10-15μm球形). 膜電位固定法により室温(22-28℃)下, 単一心筋細胞のINaを記録した. 活動電位特性値は, 振幅約100mV, 50%再分極時間約400msであった. 最大INa(約-1nA)は約-27mVで流れた. 電流-電圧曲線でのINa逆転電位は約+49mVであった....
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1987, Vol.89 (2), p.115-115 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Diatyl Monoxime(DAM), 5-20mMはモルモット乳頭筋や鶏胎生期心室筋の活動電位の最大立ち上がり速度(Vmax)を軽度に抑制する. この作用が心筋Na電流(INa)の直接抑制に基づくものかを調べた. 受精後16-19日令の鶏の心室筋をtrypsinで処理し, 遊離細胞とした後, 培養した(径10-15μm球形). 膜電位固定法により室温(22-28℃)下, 単一心筋細胞のINaを記録した. 活動電位特性値は, 振幅約100mV, 50%再分極時間約400msであった. 最大INa(約-1nA)は約-27mVで流れた. 電流-電圧曲線でのINa逆転電位は約+49mVであった. 同電流はTTX10^-6 Mで部分的に, また10^-5 Mでほぼ完全に抑制された. DAM10mMでINaは約25%抑制されたが抑制程度は膜電位に依存しなかった. 定常状態不活性化(h_∞ )の特性値slope factor とV_1/2 はそれぞれ5.5mV, V_1/2 -81mVであり, DAM(10-20mM)により影響されなかった. 不活性化過程は指数関数に従いその時定数はDAMで影響されずtime to peak INaもDAMで影響されなかった. 以上よりDAMはINaのカイネティクスを変えることなくINaを抑制することが推定された. |
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ISSN: | 0015-5691 |