イヌ心臓交感神経節におけるタウリンの内因性GABAを介する抑制作用

演者らはすでに生体イヌでangiotensinII(ATII)の心臓交感神経節興奮作用は, 外因性のγ-aminobutyric acid(GABA)または節内因性GABA含有量を増加させるamino-oxyacetic acidにより抑制され, この抑制にpicrotoxinが拮抗することから内因性GABAが節機能に関与する可能性を報告した. 今回は含硫アミノ酸であるtaurineおよび3-aminopropanesulfonic acid(3-APSA)のATII,bethanechol(BCh)およびacetylcholine(ACh)の節興奮作用におよぼす影響をGABAのそれと比較検討...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1987, Vol.89 (2), p.112-112
Hauptverfasser: 櫛来和司, 古川達雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:演者らはすでに生体イヌでangiotensinII(ATII)の心臓交感神経節興奮作用は, 外因性のγ-aminobutyric acid(GABA)または節内因性GABA含有量を増加させるamino-oxyacetic acidにより抑制され, この抑制にpicrotoxinが拮抗することから内因性GABAが節機能に関与する可能性を報告した. 今回は含硫アミノ酸であるtaurineおよび3-aminopropanesulfonic acid(3-APSA)のATII,bethanechol(BCh)およびacetylcholine(ACh)の節興奮作用におよぼす影響をGABAのそれと比較検討した. 実験は頚髄切断イヌを使用し, 薬物は特記しないかぎり, 右鎖骨下動脈を介して, 心臓交感神経節に直接動注した. ATII(1,2μg), BCh(25,50μg)およびACh(25,50,100μg)の動注で用量依存の著明な拍数増加が出現した. ATIIの拍数増加作用は, 3-APSA(50μg)またはGABA(50μg)によって抑制されたが, taurine(200,400μg)ではきわめて軽度にしか抑制されず, glycine(10mg)では全く影響されなかった. この3-APSAならびにGABAによる抑制は, picrotoxin(2mg)およびbicuculline(2mg)によって拮抗されたが, strychnine(2mg)では影響を受けなかった. BChおよびAChの拍数増加作用は, 同量の3-APSAで抑制されたが, GABAおよびtaurineでは抑制されず, 大量のGABA(500μg)でのみ抑制された. Aminooxyacetic acid(10mg/Kg)の静脈内前処置動物において, 同量のtaurineはATIIの拍数増加作用を用量依存的に抑制し, この抑制はpicrotoxin(2mg)により拮抗されたが, 同量のstrychnineでは影響を受けなかった. 以上の結果から交感神経節において, taurineは節内因性GABAを介して間接的に節機能を抑制するのに対して, 3-APSAはGABAと同様にGABA受容体に直接作用することにより抑制し, その作用はGABAより強い.
ISSN:0015-5691