1 H-NMRによるカルモジュリンの立体構造に対するW-7の効果

Calmodulin(CaM)antagonistに対するCaMの高親和結合部位を明らかにする事は, CaMの活性部位を解明する上で極めて重要である. 本研究では, CaMのW-7に対する高親和結合部位を^^1 H-NMRを用いて解析し, これまでに報告されたTFPの結果と比較検討した. 「方法」牛脳から抽出したCaM(pH 8.0)に, Ca^2+ (モル比0~4)及びW-7(モル比0~6)を滴定し, 400MHz ^^1 H-NMR(JEOL GX-400)を用いて, 24℃で測定した. 「結果」Ca^2+ -CaMに対するW-7の効果は, CaMのHis-107 H2 プロトン, met...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (6), p.169-169
Hauptverfasser: 秋山佳代, 須藤伝悦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Calmodulin(CaM)antagonistに対するCaMの高親和結合部位を明らかにする事は, CaMの活性部位を解明する上で極めて重要である. 本研究では, CaMのW-7に対する高親和結合部位を^^1 H-NMRを用いて解析し, これまでに報告されたTFPの結果と比較検討した. 「方法」牛脳から抽出したCaM(pH 8.0)に, Ca^2+ (モル比0~4)及びW-7(モル比0~6)を滴定し, 400MHz ^^1 H-NMR(JEOL GX-400)を用いて, 24℃で測定した. 「結果」Ca^2+ -CaMに対するW-7の効果は, CaMのHis-107 H2 プロトン, methionine methyl領域, high-field methyl 領域において確認された. Tyr-138, Phe-A, Phe-B, Tml-115等においては, W-7の効果は確認されなかった. 「考察」CaMのW-7に対する高親和結合部位の一つは, site IIIに含まれるHis-107か, その近くに存在することが示唆される. これは, TFPには見られない結果である. さらに, methionineやhigh-fieldの各methyl領域でもTFPの報告と同様にW-7で影響を受けており, こうした領域にも, W-7への高親和結合部位が存在するものと示唆される. D.Sutoo et al.,Biochim.Biophys.Acta,873:156-160,186.
ISSN:0015-5691