イヌの性機能に及ぼすクロニジン脳室内投与の影響

Clonidine(CL)により誘発される性機能障害に本薬物の中枢作用の関与が示唆されているが, その詳細について論究した報告は少ない. 本研究では陰茎刺激によるイヌの勃起及び射精反応を指標にCL脳室内投与の影響ならびにCL体性投与時の下腹神経電気刺激による射精反応(後部尿道圧曲線)に対する影響について検討した. 1)CL(0.5-5μg/kg,i.c.v.)は勃起反応に影響を与えずに, 射精反応を用量依存的に抑制した. この抑制は投与1-3時間後に顕著に認められ投与24時間後に回復した. 2)CL(5μg/kg,i.c.v.)投与1時間後, 膀胱から採取した尿(遠心分離500r,p, m,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (4), p.348-348
Hauptverfasser: 米沢章彦, 安藤隆一郎, 只野武, 木皿憲佐, 木村行雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Clonidine(CL)により誘発される性機能障害に本薬物の中枢作用の関与が示唆されているが, その詳細について論究した報告は少ない. 本研究では陰茎刺激によるイヌの勃起及び射精反応を指標にCL脳室内投与の影響ならびにCL体性投与時の下腹神経電気刺激による射精反応(後部尿道圧曲線)に対する影響について検討した. 1)CL(0.5-5μg/kg,i.c.v.)は勃起反応に影響を与えずに, 射精反応を用量依存的に抑制した. この抑制は投与1-3時間後に顕著に認められ投与24時間後に回復した. 2)CL(5μg/kg,i.c.v.)投与1時間後, 膀胱から採取した尿(遠心分離500r,p, m, 5min)中に精子は認められなかった. 3)CL(5μg/kg,i.c.v.)の射精抑制作用は, yohimbine(1-10μg/kg,i.c.v.)前処理により用量依存的に拮抗されたが, prazosin(3,10μg/kg,i.c.v.)では拮抗されなかった. 4)CL(200μg/kg,i.p.)は下腹神経電気刺激(2V, 2msec, 10Hz)によるseminal emission及び後部尿道内圧の律動的変化に影響を与えなかった. 以上より, CL誘発性機能障害のうち特に射精反応の障害にCLの中枢α_2 -受容体への作用が密接に関与することが明かとなった. またこの抑制は逆行性射精によるものではないことが確認された.
ISSN:0015-5691