新規ジヒドロビリジン系Ca^++ 拮抗薬DHP-218の降圧作用ならびに心血管系に対する作用

DHP-218(Methyl-2,6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-5-(2-oxo-1,3,2-dioxaphosphorinan-2-yl)-1,4-dihydro-pyridine-3-carboxylate)(DHP)の降圧ならびに心血管系に対する作用をnifedipineと比較検討した. 降圧作用:DHPは正常血圧ラット, 各種高血圧モデルラット(SHR,DOCA-Salt,RHR)において0.1~1.0mg/kg p. o. 以上, 正常血圧犬(無麻酔)では0.03mg/kg p. o. 以上の用量で用量依存性の著明な血圧降下作用を示した. その作用はSHR...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (3), p.294-294
Hauptverfasser: 木村豊, 田中充士, 福井久司, 岡本美由紀, 木村喜代史, 榎本宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:DHP-218(Methyl-2,6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-5-(2-oxo-1,3,2-dioxaphosphorinan-2-yl)-1,4-dihydro-pyridine-3-carboxylate)(DHP)の降圧ならびに心血管系に対する作用をnifedipineと比較検討した. 降圧作用:DHPは正常血圧ラット, 各種高血圧モデルラット(SHR,DOCA-Salt,RHR)において0.1~1.0mg/kg p. o. 以上, 正常血圧犬(無麻酔)では0.03mg/kg p. o. 以上の用量で用量依存性の著明な血圧降下作用を示した. その作用はSHRではnifedipineの7倍, 犬では約30倍以上と強力であり, 作用発現が緩徐で持続も長かった. 血流動態(麻酔開胸犬):DHPは0.01~0.03mg/kg i. v. 投与により冠血流を最も強く増大(40~120%)させた. 十二指腸内投与(0.05~0.1mg/kg)においても同様の傾向がみられ, いずれの投与経路においても作用発現が緩徐で持続が長かった. 心機能(麻酔開胸犬):DHP 0.03mg/kg i. v. 投与により心拍出量の増加, 左室拡張終期圧, 総末梢血管抵抗の減少等がみられた. nifedipineは血圧下降度に比べて心拍数の増加が大であり, 心仕事量の増加もDHPより大であった. 以上DHPは強い降圧効果, 冠血流増加作用を有し, しかもその作用発現が緩徐で, 作用持続の長いすぐれた特徴を有する化合物である事が明らかになった.
ISSN:0015-5691