新規ジヒドロピリジン系Ca^++ 拮抗薬DHP-218の摘出血管平清筋および心筋ならびに受容体結合におよぼす作用について

DHP-218(DHP)は作用発現が緩徐で持続性の強力な降圧作用を有する新規dihydropyridine誘導体である. 今回, 本化合物のCa^++ -拮抗, 血管拡張並びに心臓作用をin vitroの系で検討し次の成績を得た. 1)ラット脳と心筋細胞膜標本における^^3 H-nitrendipine結合に対し, DHPはnifedipine(Nif)と同様式で拮抗した. 2)ラット大動脈のCa^++ -取締に拮抗した(pA_2 =9.11). KCl-及びphenylephrine-収縮に対するlC_50 は6.3及び66nMであり, Nif(2.5,7.8nM)に比し脱分極収縮に対し特異...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (3), p.293-293
Hauptverfasser: 松崎卓士, 林誠治, 狩野さゆり, 三浦朗, 鵜飼洋司郎, 木村喜代史, 榎本宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:DHP-218(DHP)は作用発現が緩徐で持続性の強力な降圧作用を有する新規dihydropyridine誘導体である. 今回, 本化合物のCa^++ -拮抗, 血管拡張並びに心臓作用をin vitroの系で検討し次の成績を得た. 1)ラット脳と心筋細胞膜標本における^^3 H-nitrendipine結合に対し, DHPはnifedipine(Nif)と同様式で拮抗した. 2)ラット大動脈のCa^++ -取締に拮抗した(pA_2 =9.11). KCl-及びphenylephrine-収縮に対するlC_50 は6.3及び66nMであり, Nif(2.5,7.8nM)に比し脱分極収縮に対し特異性が高かった. KCl-収縮標本での弛緩反応の進行と洗浄による回復はNifに比し著しく遅れた. 3)ウサギ乳頭筋における陰性変力作用(IC_50 =4.2μM)はNif(47nM)の1/90であり, Nifに比し血管特異性が高かった. 4)モルモット乳頭筋の活動電位第II相の持続を短縮させ, 脱分極筋のCa^++ -spikeを抑制したが, 後者に対する作用が10倍強力であった. 以上の成績から, DHPはHif型のCa^++ -拮抗作用を有するが, Nifに比し心筋抑制が少なく血管特異性が高いこと, Ca^++ -チャンネルヘの結合及び解離の様式がNifと異なる事が示された.
ISSN:0015-5691