ジギタリス不整脈の発生機序に関する検討
最近, ジギタリス中毒による不整脈発生機序として, Caチャネルに関連した振動性後電位によるtriggered activityが注目されているが, 臨床において振動性後電位を直接証明する方法は, 現在のところ確立されていない. そこで我々は, 微小電極法による実験と臨床をつなぐ一つの手段として丸ごとの心臓を用いた動物実験モデルを考えた. ベントバルビタールで麻酔した雑種成犬を左開胸し, 刺激電極を左心室心外腹側に, 心房電位記録用電極を左心耳に縫合し, 大腿静脈よりウワバイン20または40μg/kgを全身投与し, 適宜10μg/kgを追加した. 左心室刺激は等間隔の連発刺激に2~3秒の休止期...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (3), p.261-261 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近, ジギタリス中毒による不整脈発生機序として, Caチャネルに関連した振動性後電位によるtriggered activityが注目されているが, 臨床において振動性後電位を直接証明する方法は, 現在のところ確立されていない. そこで我々は, 微小電極法による実験と臨床をつなぐ一つの手段として丸ごとの心臓を用いた動物実験モデルを考えた. ベントバルビタールで麻酔した雑種成犬を左開胸し, 刺激電極を左心室心外腹側に, 心房電位記録用電極を左心耳に縫合し, 大腿静脈よりウワバイン20または40μg/kgを全身投与し, 適宜10μg/kgを追加した. 左心室刺激は等間隔の連発刺激に2~3秒の休止期間をはさむパターンで行った. その結果, 日勤能が亢進して発生すると思われる従来のジギタリスによる心室性不整脈が発生する以前に, 頻回刺激により心室性期外収縮が誘発される時期があることが証明された. この頻回刺激により誘発された心室性期外収縮が出現する時期に, Naチャネル抑制薬のリドカイン(3μg/kg)とCa拮抗薬のベラパミル(0.2mg/kg)を全身投与してその効果を検討した. リドカインでは頻回刺濠による心室性期外収縮は抑制されたが, ベラパミルでは抑制されなかった. |
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ISSN: | 0015-5691 |