新規抗不整脈薬SUN1165のモルモット心室筋における電気生理学的検討

SUN1165はClass 1 の抗不整脈薬に属することは既に報告した(第56回, 第58回日本薬理学会総会). Class 1 の抗不整脈薬は刺激回数に依存してVmaxを減少させるとともに, 抑制されたVmaxの回復を遅延させる. Vmaxの抑制及び回復のカイネティクスの解析からClass 1 の抗不整脈薬は更に1b, 1a, 及び1cに細分類されている(T.J.Campbell:Cardiovascular Research, 17,344~352,1983). 今回, 我々はSUN1165がClass 1 のどの部類に属するかをClass 1aのdisopyramide及び1bのmexi...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.88 (1), p.77-78
Hauptverfasser: 服部好一, 猪俣則夫, 相坂一雄, 石原高文, 児玉逸雄, 外山淳治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:SUN1165はClass 1 の抗不整脈薬に属することは既に報告した(第56回, 第58回日本薬理学会総会). Class 1 の抗不整脈薬は刺激回数に依存してVmaxを減少させるとともに, 抑制されたVmaxの回復を遅延させる. Vmaxの抑制及び回復のカイネティクスの解析からClass 1 の抗不整脈薬は更に1b, 1a, 及び1cに細分類されている(T.J.Campbell:Cardiovascular Research, 17,344~352,1983). 今回, 我々はSUN1165がClass 1 のどの部類に属するかをClass 1aのdisopyramide及び1bのmexiletineと比較検討したので報告する. 方法:ガラス微小電極法を用い, 摘出モルモット右心室乳頭筋の細胞内活動電位のVmaxを測定した. 結果:1Hzで刺激して得られるVmaxをSUN1165は1×10^-7 ~1×10^-4 Mにおいて濃度依存的に減少させた. SUN1165(1×10^-5 M, 3×10^-5 M)及びdisopyramide(1×10^-4 M)は0.2~2.0HzにおいてVmaxを減少させた. 一方, mexiletine(2×10^-5 M)は2.0~4.0Hzの高頻度刺激においてのみVmaxを減少させた. SUN1165によるVmax抑制の発現速度はdisopyramideよりも遅く, mexiletincが最も速かった, また, Vmaxの抑制からの回復の時定数(τ)はmexiletine(τ=0.118±0.036秒), disopyramide(τ17.0±2.6秒), SUN 1165(τ=28.0±3.0秒)の順で小さかった. 尚SUN 1165は濃度を変えてもτは定値を示した. 結論:SUN 1165のVmax抑制及び回復のカイネティクスは, それぞれClass 1b及びClass 1aに属すると言われるmexiletine及びdisopyramideのそれと比べてもはるかに遅いものであった. 従ってSUN 1165はCass 1cに属する抗不整脈薬であろうと思われる.
ISSN:0015-5691