疼痛反応におけるSubstance PとSomatostatinの関与について
著者らは, 先に0.5% formalin(FML)のマウス足競投与により, 0~5分(first phase:F相)と15~20分(second phase:S相)にそれぞれpeakをもつ二相性疼痛反応が得られ, 種々の実験からF相はFMLの神経終末の直接刺激による, S相は続発する炎症反応による疼痛であると報告した. 近年, 侵害情報の異なりによる伝達物質の違いが報告されているが, 今回FML疼痛反応解析の一環として, 一次求心性線維の神経伝達物質といわれるSPやsomatostatin(SOM)を中心に検討を行ない, 同時にhot plate,tail pinch, 酢酸writhing...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 著者らは, 先に0.5% formalin(FML)のマウス足競投与により, 0~5分(first phase:F相)と15~20分(second phase:S相)にそれぞれpeakをもつ二相性疼痛反応が得られ, 種々の実験からF相はFMLの神経終末の直接刺激による, S相は続発する炎症反応による疼痛であると報告した. 近年, 侵害情報の異なりによる伝達物質の違いが報告されているが, 今回FML疼痛反応解析の一環として, 一次求心性線維の神経伝達物質といわれるSPやsomatostatin(SOM)を中心に検討を行ない, 同時にhot plate,tail pinch, 酢酸writhing法についても比較検討した. SPやSOMの遊離剤であるcapsaicinの腰椎クモ膜下(i.t.)投与により, 0~5分と15~20分に特徴があるbehavior(licking,biting,scratching)が出現する二相性反応が見られた. またSPをi.t.投与すると直後より5分間に, 同様のbehaviorが出現し, 一方, SOMの投与では, 15~20分をpeakとする反応を示した. これらはFMLによる二相性疼痛反応のpeakとそれぞれ一致する結果を得た. 次に, 48時間前にcapsaicinをi.t.処置してSPやSOMを枯渇した動物では, FML疼痛反応のF,S両相が有意に抑制された. また, FML惨痛反応はSP-antagonist(1.7nmol,i.t.)によりF相の抑制のみが観察され, SOMの枯渇剤のcysteamine(0.5mg,i.t.)3時間前投与によりS相のみ有意な抑制がみられた. 次にhot plate法, tail pinch法においては, SP-antagonist(3.4nmol,i.t.)により, 有毒な鎮痛が観察され, writhing法では抑制はなかった. 一方, cysteamine(0.5mg,i.t.)によって, writhing法においては鎮痛が出現したが, hot plate法, tail pinch法では影響はなかった. 以上の結果より, hot plate法やtail pinch法のような熱性, 機械的の一過性の侵害刺激による痛みおよびFML疼痛のF相ではSPが, writhing法やFML疼痛のS相のような持続する炎症性の疼痛にはSOMが, 脊髄痛覚伝達機構においてそれぞれ関与していることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |