新規化合物 ZSY-27のイヌ膵外分泌に対する作用

膵外分泌において cyclic AMPは, secretin刺激による水や電解質分泌の細胞内mediatorであるということがほゞ確立されている. そこで種々のphospho-diesterase(PDE)inhibitorの膵外分泌に対する作用を調べることは興味深い. 今回演者らは, 新規に合成されたPDE inhibitor の作用を有する化合物 ZSY-27(5-methyl-6-(4-pyridinyl)-2H-1,4-thiazine-3H(4H)-one・HCl)のイヌ膵外分泌に対する作用を, 静脈内投与と自己血液灌流膵臓標本を用い動脈内投与して調べると同時に, secretin,...

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Hauptverfasser: 岩月和彦, 山岸不二雄, 本間憲夫, 春田耕一, 千葉茂俊
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:膵外分泌において cyclic AMPは, secretin刺激による水や電解質分泌の細胞内mediatorであるということがほゞ確立されている. そこで種々のphospho-diesterase(PDE)inhibitorの膵外分泌に対する作用を調べることは興味深い. 今回演者らは, 新規に合成されたPDE inhibitor の作用を有する化合物 ZSY-27(5-methyl-6-(4-pyridinyl)-2H-1,4-thiazine-3H(4H)-one・HCl)のイヌ膵外分泌に対する作用を, 静脈内投与と自己血液灌流膵臓標本を用い動脈内投与して調べると同時に, secretin,dopamine(DA), methyl-isobutyI-xanthine(MIX), papaverine(PA)とaminophylline(AM)との作用を比較検討した. ZSY-27(1mg/kg)静注は全身血圧を約30mmHg下げ, 持続的な膵外分泌作用を示し, この作用は約1時間後に回復した. ZSY-27(0.1~1mg)を動注した場合, 用量依存的に膵外分泌作用を示し灌流圧を減少させた. これらの作用は約10分以内で回復した. 膵外分泌の刺激はDA>MIX>ZSY-27=PA>AMの順序であった. 分泌反応と血管反応は, propranolol,atropine,phentolamine,sulpirideとcimetidineの前処理によって影響されなかった. ZSY-27(1mg)は, 膵液中の重炭酸濃度を99.2mmole/literと有意に増加させたが(静止時31.7mmole/liter), 蛋白濃度18.3mg/mlには影響を与えたかった(静止時18.7mg/ml). さらに単独作用を示さないZSY-27(25μ9/min)持続注入は, secretinの膵外分泌の作用を有意に増強したが, cyclic AMPの関与のないDAの作用には影響を及ぼさなかった. 以上の結果より, ZSY-27は, イヌ膵外分泌刺激作用を有しており, その作用は細胞内のcyclic AMPを増加させて発現していることが推測された.
ISSN:0015-5691