ビタミン B_1 欠乏飼育により誘発される Muricide と脳内モノアミン

先に我々はピタミン B_1 欠乏誘発 muricide の発現機序を主に脳内モノアミン系の面から検討を加えた結果, ドパミン(DA)作動薬によりこの muricide が抑制されることからビタミン B_1 欠乏誘発 muricide に対し中枢 DA 神経が重要な役割を果していることを示唆してきた. 今回は今までの結果を更に詳細に検討する為, 本 muricide の脳内モノアミン動態を測定したのでその結果を報告する. 方法:実験には Wistar 系雄性ラットを用いビタミン B_1 欠乏食にて飼育した. 飼育後7,14,21,28日目にマウスを home-cage に入れ5分以内にマウスを噛...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.87 (5), p.56-56
Hauptverfasser: 佐久間一朗, 佐藤信範, 米沢章彦, 只野武, 木皿憲佐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:先に我々はピタミン B_1 欠乏誘発 muricide の発現機序を主に脳内モノアミン系の面から検討を加えた結果, ドパミン(DA)作動薬によりこの muricide が抑制されることからビタミン B_1 欠乏誘発 muricide に対し中枢 DA 神経が重要な役割を果していることを示唆してきた. 今回は今までの結果を更に詳細に検討する為, 本 muricide の脳内モノアミン動態を測定したのでその結果を報告する. 方法:実験には Wistar 系雄性ラットを用いビタミン B_1 欠乏食にて飼育した. 飼育後7,14,21,28日目にマウスを home-cage に入れ5分以内にマウスを噛み殺すものを muricide ラットとし, この反応を示さなかったものを non-muricide ラットとした. 両タイプのラット脳を嗅球を含め Glowinski and Iversen の方法に準じて脳を8分割し脳内モノアミンおよびその代謝物を HPLC-ECD 法を用いて測定した. 結果・考察:ビタミン B_1 欠乏誘発 muricide の発現率は経口的に増加し28日以降プラトー状態を示したことから飼育28日目における muricide ラットと non-muricide ラットの脳内モノアミン動態を測定した. その結果 muricide ラットの DA 量は non-muricide ラットと比較して, 橋-延髄と嗅球で減少し, 両部位で DOPAC 量が増加した. 一方 muricide ラットの 5HT 量は皮質と嗅球でのみ増加を示した. NE,NMN は muricide ラットと non-muricide ラットとの間にいずれの部位においても有意な変動はみられなかった. 以上のことから本 muricide ラットにおいて中脳から上行性に投射を受ける嗅球と下行性に投射を受ける橋-延髄において DA 神経の活性上昇がみられた. また 5HT 量は皮質と嗅球で増加し, しかも 5HIAA/5HT 比率が低下傾向を示したことからこれら部位での 5HT 神経の活性低下が示唆された.
ISSN:0015-5691