4-(o-Benzylphenoxy)-N-methylbutylamine hydrochloride(bifemelane hydrochloride, MCI-2016)の一般薬理作用

MCI-2016(bifemelane hydrochloride)の一般薬理作用を, 血液系に対する影響の面から検討した. MCI-2016は血液凝固系(APTT)および線溶系(urokinase活性化血漿塊溶解時間)に対し300mg/kg,p.o., あるいは8.6×10^-4 M の高用量まで顕著な影響を及ぼさなかった. 一方, MCI-2016 は溶血作用も弱く, 発現には2mM以上の高濃度を要した. 血糖値に対しても有意な影響を示さなかった. 血液レオロジー的性質に対する影響を in vitro および ex vivo で検討したところ, MCI-2016 は, 100mg/kg,p...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1986, Vol.87 (2), p.161-167
Hauptverfasser: 玉尾嘉邦, 原啓人, 梅津浩平, 伊藤仁堂, 土居安喜子, 須藤敦子, 平田倫子, 峯尾恭子, 戸部昭広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:MCI-2016(bifemelane hydrochloride)の一般薬理作用を, 血液系に対する影響の面から検討した. MCI-2016は血液凝固系(APTT)および線溶系(urokinase活性化血漿塊溶解時間)に対し300mg/kg,p.o., あるいは8.6×10^-4 M の高用量まで顕著な影響を及ぼさなかった. 一方, MCI-2016 は溶血作用も弱く, 発現には2mM以上の高濃度を要した. 血糖値に対しても有意な影響を示さなかった. 血液レオロジー的性質に対する影響を in vitro および ex vivo で検討したところ, MCI-2016 は, 100mg/kg,p.o.以上, 10μM以上で機械的溶血を阻害し, 膜戸過速度に対しても亢進傾向を示した. これらの作用は cinepazide,Ca-hopantenate,meclofenoxate, あるいは pentoxifylline より明らかに強かった. 一方, ウサギおよびヒトの血小板凝集に対しても本剤は IC50 35~60μM で collagen の凝集を抑制し, ADP,epinephrine の2次凝集も抑制した. bencyclane も同様の作用パターンを示したが, 他剤では血小板凝集阻害作用は認められなかった. これらの性質は本剤の臨床応用にあたり有用であると考えられた.
ISSN:0015-5691