新規Adrenergic α_2 -blocker FR35447の抗血小板作用
ヒトおよび各種動物血小板のα_2 -adrenoceptorの特性を明らかにするとともに, 当研究所で見出された2-imidazoline誘導体であるFR35447の抗血小板作用を検討した. in vitroでの血小板凝集反応において, FR35447はヒト血小板ではepinephrlneによる凝集のみを抑制し, IC50は5.0×10^-7 Mであった. また, ウサギおよびマウス血小板におけるepinephrineの凝集先進作用に対しても強い抑制を示し, IC50はそれぞれ3.9×10^-7 M, 2.0×10^-7 Mであった. これらの作用はyohimbineより2~3倍強いものであっ...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1985, Vol.86 (5), p.128-129 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ヒトおよび各種動物血小板のα_2 -adrenoceptorの特性を明らかにするとともに, 当研究所で見出された2-imidazoline誘導体であるFR35447の抗血小板作用を検討した. in vitroでの血小板凝集反応において, FR35447はヒト血小板ではepinephrlneによる凝集のみを抑制し, IC50は5.0×10^-7 Mであった. また, ウサギおよびマウス血小板におけるepinephrineの凝集先進作用に対しても強い抑制を示し, IC50はそれぞれ3.9×10^-7 M, 2.0×10^-7 Mであった. これらの作用はyohimbineより2~3倍強いものであった. 一方, prazosinでは作用は認められなかった. 次に, ^^3 H-rauwolscineを用いたbinding assayでは, ラット以外のいずれの種においてもspecific bindingを認め, 解離定数(K_D )と最大結合量(B_MAX )はそれぞれ, ヒトで3.43nM, 75.0fmoles/2×10^8 platelets, ウサギで7.97nM, 64.1fmoles/2×10^8 platelets, マウスで17.42nM, 55.9fmolcs/2×10^8 platcletsであった. ヒト血小板での^^3 H-rauwolscineに対する阻害定数(K_I )はFR35447で6.4nM, yohimbineで0.7nM, prazosinで1.47μMであった. さらに, マウスを用いたin vivo実験ではepinephrineとcollagenの混液を静注した場合の血栓性致死に対してFR35447は0.1mg/kg, 1.0mg/kgの腹腔内30分前投与で有意な抑制作用を示した. yohimbineは10mg/kgで抑制作用を示したが, prazosinには作用は認められなかった. 以上, FR35447は強いadrenergic α_2 -blockerであり, 血小板α_2 -adrenoceptorの活性化の関与した血栓性疾患に有用である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |