ラット脳シナプトゾームにおけるアセチルコリン合成のためのコリン供給源-細胞内コリンと細胞外コリンの比較
高親和性コリン(Ch)取り込み(HACU)がアセチルコリン(ACh)合成を担っているという一般的見解がある. 当研究室では, 細胞内Ch供給系の存在を見い出している. 今回, 細胞外Chとして放射性^^14 C-Chを用い, ACh合成における細胞外と細胞内Chの重要性を比較検討した. ラット脳粗シナプトゾーム標本をeserine含有Krebs Ringer液(KR液)に懸濁, 二分し, 一方に^^14 C-Chを, 他方に非放射性Chをそれぞれ0,2.5,5,10,20,50μM加え, 酸素供給下に37℃, 10分間インキュベートし合成された総ACh量と^^14 C-ACh量を定量した. 細...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 高親和性コリン(Ch)取り込み(HACU)がアセチルコリン(ACh)合成を担っているという一般的見解がある. 当研究室では, 細胞内Ch供給系の存在を見い出している. 今回, 細胞外Chとして放射性^^14 C-Chを用い, ACh合成における細胞外と細胞内Chの重要性を比較検討した. ラット脳粗シナプトゾーム標本をeserine含有Krebs Ringer液(KR液)に懸濁, 二分し, 一方に^^14 C-Chを, 他方に非放射性Chをそれぞれ0,2.5,5,10,20,50μM加え, 酸素供給下に37℃, 10分間インキュベートし合成された総ACh量と^^14 C-ACh量を定量した. 細胞内Ch由来ACh合成量=総ACh合成量」^^14 C-ACh合成量. 総ACh合成量はCh無添加とCh添加の間に有意の差はなかった. 2.5から50μMまでの^^14 C-Ch存在下で総ACh合成量に対する^^14 C-ACh合成量の比は0.45,0.51,0.58,0.70,0.76となり, ^^14 C-ACh合成量は^^14 C-Ch濃度が高くなるほど増加し, 低親和性Ch取り込みもACh合成に若干寄与しているが, いずれの^^14 C-Ch濃度でも総ACh合成量に達することはなかった. 35mMKClKR液での20分間前処置により組織ACh量を50%減少させておいた標本を正常KR液に戻して前と同様にACh合成を行うと, 総ACh合成量はCh無添加に比して低濃度の2.5μMChですら大きく増加した. この時の^^14 C-ACh合成量対総ACh合成量の比は各Ch濃度で0.66,0.69,0.70,0.71,0.83となり, 高K^+ 前処置のない場合と比較して低Ch濃度側で高い値となった. 以上の成績より, ACh合成には外液Chが十分なときには主に細胞外Chが利用され, 不十分なときには細胞内Chが不足を補うようである. HACUは細胞内ACh量が減少しているとき促進されるが, HACUのみでは全てのACh合成を賄うに足りるChを供給することはできない. |
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ISSN: | 0015-5691 |