GABAで誘起される細胞内Cl^- 濃度の変動
GABAで惹起されるCl^- 電流(I_Cl )のピークからの減衰過程が脱感作のみによらず細胞内Cl^- 濃度の変動に起因するCl^- 平衡電位(E_Cl )のシフトによることを細胞内Cl^- 濃度を変化させて明らかにした. 方法:吸引電極法にてウシガエル単一知覚神経細胞内を灌流し, 膜電位固定下にGABAでI_Cl のみが惹起されるようにした. GABA投与前後に三角波を与え, 得られた2つのinstantaneousな電流・電圧曲線の交点より平衡電位(E_GABA )を求めた. 結果:細胞内外を120mM Cl^- で灌流し, 保持電位(V_H )-50mVでGABA 3×10^-5 Mを...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | GABAで惹起されるCl^- 電流(I_Cl )のピークからの減衰過程が脱感作のみによらず細胞内Cl^- 濃度の変動に起因するCl^- 平衡電位(E_Cl )のシフトによることを細胞内Cl^- 濃度を変化させて明らかにした. 方法:吸引電極法にてウシガエル単一知覚神経細胞内を灌流し, 膜電位固定下にGABAでI_Cl のみが惹起されるようにした. GABA投与前後に三角波を与え, 得られた2つのinstantaneousな電流・電圧曲線の交点より平衡電位(E_GABA )を求めた. 結果:細胞内外を120mM Cl^- で灌流し, 保持電位(V_H )-50mVでGABA 3×10^-5 Mを与えた時, GABAで惹起されたI_Cl はピークに達した後経時的に減衰した. そのI_Cl のピーク値, それからsteady-state値に落着く過程で三角波を次々と与えE_GABA を求めたところ, GABA作用中にE_GABA がV_H に接近することがわかった. すなわち, I_Cl の減衰中にdriving forceの減少が生じることが示唆された. このようなE_GABA 変動が細胞内Cl^- 濃度に強く影響されていることを証明するために外液中のCl^- を120mMと一定にし, 細胞内Cl^- のみを20と120mMに変化させた. driving forceを等しくしたVHでGABAを投与しE_GABA を測定するとCl^- が20mMの方でのみI_Cl の急激な減少が起った. つまり20mMでのI_Cl 減衰は脱感作によらず細胞内Cl^- の変化によることが示唆された. なおE_Cl よりも膜電位を脱分極側に保持するとI_Cl は今迄の内向きから外向きへと変るがこの時も細胞内が20mMの場合においてのみE_GABA の移動があった. 結論:GABAで惹起されるI_Cl の脱感作を正確に調べるには細胞内Cl^- 濃度を増加し, またV_H とE_GABA 間の電位差(driving force)を少なくして細胞内Cl^- の変動を排除する必要がある. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |