雄性スナネズミにおける両側頸動脈結紮脳虚血モデルに対するMCI-2016(Bifemelane hydrochloride)の効果

雄性スナネズミの両側頸動脈結紮による脳虚血モデルでのMCI-2016(bifemelane hydrochloride)の脳保護作用を検討すると共に,併せて生存時間に対する動物の週齢差を検討した.6~40週齢の動物のうち最も若い6~7週齢のものが生存時間は最も長く(3.6±1.9時間),10~40週齢では比較的安定した生存時間(1.9~2.4時間)を示すものの30~40週齢では漸減傾向にあった.以下10~15週齢の雄性スナネズミを用いて本モデルでの薬物効果を検討した.対照群では平均生存時間は2.3~2.4時間であった.MCI-2016 25 mg/kg, i.p. および100 mg/kg,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1985, Vol.85(6), pp.487-492
Hauptverfasser: 江川, 三生, 橋本, 紀子, 戸部, 昭広
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:雄性スナネズミの両側頸動脈結紮による脳虚血モデルでのMCI-2016(bifemelane hydrochloride)の脳保護作用を検討すると共に,併せて生存時間に対する動物の週齢差を検討した.6~40週齢の動物のうち最も若い6~7週齢のものが生存時間は最も長く(3.6±1.9時間),10~40週齢では比較的安定した生存時間(1.9~2.4時間)を示すものの30~40週齢では漸減傾向にあった.以下10~15週齢の雄性スナネズミを用いて本モデルでの薬物効果を検討した.対照群では平均生存時間は2.3~2.4時間であった.MCI-2016 25 mg/kg, i.p. および100 mg/kg, p.o. の単回投与により,平均生存時間はそれぞれ8.1,6.4時間と有意に延長された.また,対照群では観察されなかった結紮後12時間以上生存する例もあった.MCI-2016 25 mg/kg, i.p. 投与による本モデルでの神経症状は対照群に比し改善傾向にあり,特に結紮後初期に差が大きかった.一方,Ca-hopantenate 100 mg/kg, i.p. は生存時間を延長する傾向を示したが,ifenprodil 1,12.5 mg/kg, i.p. では無効であった.また,MCI-2016 25,50 mg/kg, p.o. の5日間連続投与により生存時間は,各々の単回投与の場合に比し延長される傾向を示した.以上より,MCI-2016はスナネズミの両側頸動脈結紮虚血モデルにおいて脳保護作用を有し,単回投与より連投により効果を増すことが明らかとなった.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.85.487