遅延型アレルギー反応の細胞集積におよぼすヒスタミンの影響
われわれは, 感作マウスの腹腔に抗原含有spongeをうめ込むsponge implantation法により, 遅延型過敏反応(DTH)が腹腔内で惹起されることおよびヒスタミン(Hi)の連続投与を抗原challengeと同時に開始した場合に, DTHが抑制されることも報告している. 今回, DTH炎症局所におけるリンホカイン産生におよぼすHiの影響について検討した. 10~15週令のc-57BL/6NおよびICRマウスを用い, Cd-freeのferritinをFreund完全アジュバンドとのemulsionとして感作し, 3週間後にferritinを浸漬したspongeを腹腔へうめ込んだ(c...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | われわれは, 感作マウスの腹腔に抗原含有spongeをうめ込むsponge implantation法により, 遅延型過敏反応(DTH)が腹腔内で惹起されることおよびヒスタミン(Hi)の連続投与を抗原challengeと同時に開始した場合に, DTHが抑制されることも報告している. 今回, DTH炎症局所におけるリンホカイン産生におよぼすHiの影響について検討した. 10~15週令のc-57BL/6NおよびICRマウスを用い, Cd-freeのferritinをFreund完全アジュバンドとのemulsionとして感作し, 3週間後にferritinを浸漬したspongeを腹腔へうめ込んだ(challenge). HiおよびHi+pyrilamine,Hi+cimetidine投与は, challengeと同時に開始し, 12時間おきに皮下注射した. challenge48時間後, 腹腔内より取り出したspongeをホモジナイズして集めた抽出液をcrude extractとし, そのmacrophage(Mψ)遊走活性を測定した. 遊走試験は, モルモットの腹腔より採集したMφを用い, nuclepore filterを使用するBoyden法により測定した. 腹腔挿入48時間後にとり出したsponge抽出液のMφ遊走活性は, 感作群では無感作群と比較して有意に高かった. しかし, Hi投与群(0.1~10mg/kg)では, その活性は用量依存的に有意に抑制された. pyrilamineをHiと同時投与してもHiの抑制効果は変化しなかったが, 等モル量cimetidineの同時投与によりHiによる抑制は消失し, 感作対照群のレベルまで活性が回復した. sponge抽出液をゲル炉過した場合, 分子量30000~80000の分画で遊走活性が出現した. Hi投与群からとり出したspongeでは, この分画における活性は殆んど消失したが, cimetidineの同時投与により同じ分画での活性は, 対照群と同様に観察された. 以上の結果より, 抗原challengeと同時に連続投与したHiがDTH炎症局所におけるリンホカイン産生を抑制し, この抑制はH_2 -receptor保有リンパ球を介して発現しているものと考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |