γ-Oryzanolの条件情動刺激負荷時の胃粘膜損傷ならびに小腸輸送能に及ぼす影響

消化器系の不定愁訴に有効とされているγ-oryzanolについてcommunication box法による条件情動刺激(CES)負荷時の胃粘膜損傷ならびに小腸運動機能の変化,さらにはflower pot法によるREM sleep deprivation時の胃粘膜損傷に及ぼす影響をddY系雄性マウスを用いて検討した.γ-oryzanolの200および500mg/kgの経口投与によりcommunication box法によるresponder群の胃粘膜損傷は有意に抑制され,またoxazolam 2mg/kgおよびatropine 3,10mg/kgの投与によっても抑制された.さらにsender群に...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1984, Vol.84(6), pp.537-542
Hauptverfasser: 市丸, 保幸, 森山, 峰博, 市丸, 美千子, 五味田, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:消化器系の不定愁訴に有効とされているγ-oryzanolについてcommunication box法による条件情動刺激(CES)負荷時の胃粘膜損傷ならびに小腸運動機能の変化,さらにはflower pot法によるREM sleep deprivation時の胃粘膜損傷に及ぼす影響をddY系雄性マウスを用いて検討した.γ-oryzanolの200および500mg/kgの経口投与によりcommunication box法によるresponder群の胃粘膜損傷は有意に抑制され,またoxazolam 2mg/kgおよびatropine 3,10mg/kgの投与によっても抑制された.さらにsender群における胃粘膜損傷もγ-oryzanol 200および500mg/kgの投与により抑制された.CES負荷によるrcsponder群の小腸運動充進に対してγ-oryzanolは抑制的に作用し,atropineもこれを抑制した.しかし,oxazolamは殆ど影響を及ぼさなかった.以上のことよりγ-oryzanolはresponderおよびsender群の胃粘膜損傷を抑制し,responder群の小腸運動の亢進に対しても抑制作用を示したことより,γ-oryzanolの抗濃瘍ならびに消化器過敏症に対する効果が期待される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.84.537