卵巣摘出と低Ca食による犬の実験的骨粗鬆症に対するElcatoninの効果
要約: 15~18か月齢の卵巣摘出雌性ビーグル犬に, 6か月間の低Ca食飼育を行ない発症する実験的骨粗鬆症に対し, elcatonin(1u/kg)を連日筋肉内投与し, その予防効果を2回骨標識法を利用した骨形態計測により検討した. 卵巣摘出と低Ca食投与の病態群は対照群にくらべ, 体重および血清Ca量, inorganic phosphorus量に差異はなかったが, 血清alkaline phosphatase活性の上昇がみられた. 骨形態計測の結果では, 腸骨海綿骨で, 骨量の減少と, 骨吸収および骨形成の亢進がみとめられた. この病態は, 高回転性骨粗鬆症の病態に類似していた. この病態...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1984-07, Vol.84 (1), p.91-98 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要約: 15~18か月齢の卵巣摘出雌性ビーグル犬に, 6か月間の低Ca食飼育を行ない発症する実験的骨粗鬆症に対し, elcatonin(1u/kg)を連日筋肉内投与し, その予防効果を2回骨標識法を利用した骨形態計測により検討した. 卵巣摘出と低Ca食投与の病態群は対照群にくらべ, 体重および血清Ca量, inorganic phosphorus量に差異はなかったが, 血清alkaline phosphatase活性の上昇がみられた. 骨形態計測の結果では, 腸骨海綿骨で, 骨量の減少と, 骨吸収および骨形成の亢進がみとめられた. この病態は, 高回転性骨粗鬆症の病態に類似していた. この病態に対するelcatoninの連続投与は, 体重, 血清Ca量, inorganic phosphorus量, 血清alkaline phosphatase活性に対しては影響を与えなかった, 骨形態計測の結果では, 腸骨海綿骨の骨量の減少を有意に防止した. さらに, 骨吸収亢進の抑制と共に骨形成面の増加と石灰化速度の増大もみられたことから, elcatoninの骨量減少予防効果には, 骨吸収抑制作用に加え, 骨形成促進作用が関与している可能性もあることが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |