Methyl-ο-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)reserpate(CD-3400)の射精に及ぼす影響について

「要約」副作用の少ない高血圧治療薬を目的に開発された新しいrauwolfia alkaloids誘導体Methyl ο-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)reserpate(CD-3400)の勃起, 射精および脳内モノアミンに及ぼす影響を, 雄性雑種成犬を使用し, reserpine(RES)およびrescinnamine(RCN)と比較検討した. 1)各薬物を1回経口投与(0.032mg/kg~0.5mg/kg)すると, 勃起はほぼ完全勃起に近い状態を維持していたが, 射精は用量依存的に抑制され, CD-3400(0.5mg/kg)では投与24時間後に, RES,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1982-09, Vol.80 (3), p.239-249
Hauptverfasser: 米沢章彦, 只野武, 浦野慎一, 木皿憲佐, 木村行雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」副作用の少ない高血圧治療薬を目的に開発された新しいrauwolfia alkaloids誘導体Methyl ο-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)reserpate(CD-3400)の勃起, 射精および脳内モノアミンに及ぼす影響を, 雄性雑種成犬を使用し, reserpine(RES)およびrescinnamine(RCN)と比較検討した. 1)各薬物を1回経口投与(0.032mg/kg~0.5mg/kg)すると, 勃起はほぼ完全勃起に近い状態を維持していたが, 射精は用量依存的に抑制され, CD-3400(0.5mg/kg)では投与24時間後に, RES, RCN(0.125mg/kg)では投与24時間および48時間後に全例に消失が認められた. その障害程度を射精障害が著明に認められた投与12時間後から72時間後までの平均スコアーで比較すると, RESによる障害が最も強く, 次いでRCNであり, CD-3400による障害は非常に弱かった. また, CD-3400の50%射精障害用量は0.3mg/kgであり, RES(0.052mg/kg)の約6倍, RCN(0.063mg/kg)の約5倍用量を有した. さらに, 障害からの回復もCD-3400は, RES, RCNに比べ早く, 投与96時間後にはほぼ正常な射精状態にまで回復した. 2)CD-3400(0.06mg/kg/day)およびRES(0.01mg/kg/day)の20日間連続経口投与により, 勃起は投与期間中ほぼ完全勃起を維持していたが, 射精は, RESで著明な障害が観察され, 投与15日目には全例で消失したのに対し, CD-3400の障害は軽度であり投与20日目においても消失は認められなかった. 3)各薬物投与(CD-34000 0.5mg/kg, RESおよびRCN 0.125mg/kg)後, 脳6部位のモノアミン含量を検討した結果, 全例に射精が消失した投与24時間後, 脳内では特に, 射精発現の場として重要な視床下部前部ならびに海馬で, dopamine(DA)が著明に減少し, 各薬物共にこれら部位でのDA:serotonin(5-HT)比は対照群と比較し著しく減少した. 以上の結果より, イヌにおいてCD-3400は, RES, RCNと同様に射精障害を惹起するものの, その障害程度は後二者薬物に比べ非常に弱いことが判明した.
ISSN:0015-5691