Morphineに対する選択摂取行動の量的評価
ラットはmorphine (M) 混入飼料と普通飼料の選択試行およびM混入飼料のみの強制試行を繰り返すことによりM混入飼料に対する顕著な選択摂取行動を示す.この選択摂取行動の強度を量的に評価することが本研究の目的である.実験には長さ150cmの単走路を用い,この単走路内に2つの容器を設置し,スタート地点からみて手前に普通飼料,遠方にM混入飼料を置き,訓練試行および試験試行を行った.試験試行時にラットがM混入飼料 (1mg/g food) を摂取するためには,重りを牽引しなければならないという条件下で, M混入飼料を摂取するためにラットが最大限どこまで重量を牽引するかを測定した.ラットの摂取時間...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1981, Vol.78(2), pp.79-90 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ラットはmorphine (M) 混入飼料と普通飼料の選択試行およびM混入飼料のみの強制試行を繰り返すことによりM混入飼料に対する顕著な選択摂取行動を示す.この選択摂取行動の強度を量的に評価することが本研究の目的である.実験には長さ150cmの単走路を用い,この単走路内に2つの容器を設置し,スタート地点からみて手前に普通飼料,遠方にM混入飼料を置き,訓練試行および試験試行を行った.試験試行時にラットがM混入飼料 (1mg/g food) を摂取するためには,重りを牽引しなければならないという条件下で, M混入飼料を摂取するためにラットが最大限どこまで重量を牽引するかを測定した.ラットの摂取時間はすべて9:00から17:00までの8時間に制限した.選択試行1日と強制試行2日から成る1セッションの実験を7回繰り返した後,ラットはM混入飼料に対して顕著な選択摂取行動を示した.すなわち,総摂餌量に対するM混入飼料の摂餌率は約60%であった.このようにしてM混入飼料に対する選好性を示したラットを用い単走路内で訓練試行と試験試行を行った.試験試行において,ラットは最大50g/100g body weightの負荷重量を牽引してM混入飼料を摂取した.他方,対照群では20g/100g body weightの重量を牽引することはほとんどなかった.さらに,依存強度と牽引重量の関係を検討するため, M-L群は0.5 vs 1mg/g foodを1週間次いで1mg/g foodを1週間処置し, M-H群では0.5 vs 1mg/g foodを1週間, 1 vs 2mg/g foodを2週間,さらに2mg/g foodを1週間処置し,その後訓練試行と試験試行を行った.試験試行時に, M-L群のラットでは最大40g/100g body weightを, M-H群では最大80g/100g body weightを牽引した.これらの結果より,ラットが重りを牽引してM混入飼料を摂取するという行動は薬物混入飼料に対する摂取欲求を表わしていること,また,逆にラットの牽引重量からmorphineに対する欲求を推測する事ができるといえる. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.78.79 |