正常麻酔犬の洞房結節機能におよぼすCa2+チャンネル遮断薬の影響

43頭の正常麻酔犬を用い,洞房結節機能に対するCa2+チャンネル遮断薬(diltiazem,verapamilおよびnifedipine)の影響を,洞房結節自動能,洞房伝導の二点より検討を加え,propranololと比較した.洞房結節自動能を自発洞周期(SCL),およびoverdrive suppressionによる洞結節回復時間(SRT)でもって評価し,洞房伝導時間(SACT)はStraussらの方法に従い心房早期刺激法により,それぞれ閉胸下に求めた.diltiazem(0.2mg/kg i.v.)およびverapamil(0.1mg/kg i.v.)はSCLを平均11.6%,12.7%,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1980, Vol.76(8), pp.697-707
Hauptverfasser: 中谷, 晴昭, 菅野, 盛夫, 神田, 孝一, 尾山, 洋太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:43頭の正常麻酔犬を用い,洞房結節機能に対するCa2+チャンネル遮断薬(diltiazem,verapamilおよびnifedipine)の影響を,洞房結節自動能,洞房伝導の二点より検討を加え,propranololと比較した.洞房結節自動能を自発洞周期(SCL),およびoverdrive suppressionによる洞結節回復時間(SRT)でもって評価し,洞房伝導時間(SACT)はStraussらの方法に従い心房早期刺激法により,それぞれ閉胸下に求めた.diltiazem(0.2mg/kg i.v.)およびverapamil(0.1mg/kg i.v.)はSCLを平均11.6%,12.7%,またSRTを平均7.3%,14.3%,とそれぞれ有意に延長きせたが,nifedipine(0.03mg/kg i.v.)のこれらに対する延長効果は有意でなかった.また,propranolol(0.1mg/kgまたは0.2mg/kg i.v.)はSCL,SRTをそれぞれ平均27.5%,28.6%と有意に延長させた.SACTについてはdiltiazem,nifedipine投与群でやや延長,verapamil投与群でやや短縮傾向を示したがいづれも有意の変化ではなかった.しかし,propranolol投与群では平均40.1%の有意の延長が観察された.以上より,Ca2+チャンネル遮断薬は,洞房結節自動能に対しては抑制的に働くが,洞房伝導に対してはpropranololの場合と異なり影響が少ないものと推察される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.76.697